新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2020.11.5
立正大学心理学部名誉教授
齊藤 勇
対人心理学者、文学博士1943年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、立正大学名誉教授、日本ビジネス心理学会会長。 対人・社会心理学、特に人間関係の心理学、中でも対人感情の心理、自己呈示の心理などを研究 。TV番組「それいけ!ココロジー」に出演し監修者を務めるなど、心理学ブームの火つけ役となった。『人間関係の心理学』『やる気になる・させる心理学』など、編・著書・監修多数。
―― 「仕事に対して目標が持てない・・」なんて嘆く社会人も少なくありませんが、目標が持てないと思ってしまうのはなぜでしょう?
目標が持てないのは、過去に失敗や挫折があって、やりたいことがあってもあきらめてしまった、努力や困難なことはしたくないといったこともありますが、やりたいと思うことが見つからないことが原因の場合もあります。
仕事をしている多くの人は、志望して会社にはいったものの、業務に対して成果を出したいと思いつつ、具体的に何をやったらいいのか、何を目標にしたらいいのかわからない、または、目の前の仕事が面白そうだと思えないことにあるのではないでしょうか。
仕事に対する意欲を掻き立て、部下が自律的な行動に移せる目標を持つことは、一人ではなかなか難しいものです。
人は欲求によって行動するというお話をしましたが、基本的には自分がやりたいことには目標をもつことができるものです。特にプライベートでの目標だったら努力を惜しまないのではないでしょうか?例えば、夏休みに海外旅行に行きたいから、3か月で30万円ためるぞ!といったように(笑)。
でも、仕事や勉強となるとなかなか難しい。ですから、上司や先生といった立場の人たちが上手にサポートして、部下や生徒にやる気になる目標を一緒に考えてあげましょう。
―― 目標設定をサポートする点で、どういったところを意識したら良いでしょうか?
良い目標を作るためには、その人の欲求にあった目標を設定してあげることが大切です。日頃の部下や生徒の行動から、性格や能力を知っているはずですから、まずは部下や生徒の欲求や個性をしっかりと把握しましょう。
目標設定を手助けしてあげる上で大変重要なことは、その目標が本人にとって魅力的に映るかどうかです。心理学では、「期待×価値」という理論がありますが、行動を動機づける要因として、「これならできるかもしれない」という期待を感じられるか、それをすることに「価値がある」と、その人自身が思えるかということがあります。
期待は、「結果期待」と「効力期待」の二つに区別されます。「結果期待」というのは、自分が目標に向かって行動しようとするときに「こうすれば達成できる」と達成までの道筋がイメージできて行動しようと思えることです。
「効力期待」は、その目標を達成するための行動を、自分ならうまくできるだろうという思えることです。このように期待を感じると人は行動しようと思えることです。反対に、結果期待か効力期待どちらかが欠けている、あるいは両方とも欠けていれば行動自体生じなくなります。
また、「価値」という点では、その人の欲求や個性、あるいは社会的規範などの影響がとても大きくかかわってきます。スポーツでも、楽しむことを重要視しているに対して目標を持たせる場合と、競争の勝ち負けに重要視している人に目標を持たせる場合とでは変わってきますから。
部下の中には、マネジメント職にはなりたくない、今の業務を極めることのほうがやりがいを感じるという人や、様々な部署と連携しながら進める仕事が面白いと思う人、サポートするほうがやりがいを感じるなど、その人にとって何に価値を感じているのか?を知ることは目標をもたせることにとても大切なことです。
価値を感じれば感じるほど、前向きに取り組もうという動機につながります。仕事であれば上司の皆さんは、部下がやりたいと思っていること、好きなことを聞き出し、今の業務や新しい業務に結びつけてあげましょう。
あとは、目標達成に向けて成功するイメージを持てるように、達成に向けた具体的な手段を上司がサジェスチョンしてあげればよいのです。
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この記事を担当した人
わん子
やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機と空を見上げること。