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2020.07.29
子育て・教育
2020.02.6
家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで時として抱え込むモヤモヤとしたストレス。それは私たちのモチベーションを大きくゆさぶります――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う連載です。
今回のゲストは、高校生のお子さんを持つワーママからのお悩み。子どもの主張が増えてくれば、親のアドバイスにも耳をかさないことも増えてくる…。自立期の子どもと向き合うための親が持つべき心得について、齊藤先生にアドバイスをしていただきました。 。
サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。
セブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。
こぐまさん
今回の相談者。高校生の子どもがいるようには見えないワーママ。仕事も専門的で忙しいのに、いつもニコニコ。スマイルパワー全開のこぐまさんが今ほしいものは自分のための時間。
こぶた
やる気ラボスタッフ。ラボに新しいアルバイトさんが増え、少しは頼られる存在に(?!)しかし、たまに学生アルバイトに同化して見えるのはなぜだろう(わんこ談)
わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。娘たちのスマホ写真の技術の高さに驚かされる。いつも見たくないものを全てキレイに隠した、映える(ばえる)写真を撮ってくれて助かっている。
ぼくの子どもはまだ2歳なので、子どもが高校生くらいになったときのことがなかなか想像できません。
小さい時はとにかく健康で、いつも楽しそうにしてくれるだけでいいなんて思ってる程度だけど、少しずつ「こうなってくれたらいいな」という親の願望が増えていくんだよね…。
ついつい先回りして選択の道を用意してあげてしまうなんてことよく聞きます。
子どもを愛していればいるほど、心配になるんだよ。子どもの自主性を尊重するって親がどこまでかかわるのか意外に難しい…。
今日のお悩みはぼくの子育てに役立ちます!
こぶたを育成するのにも役立ちそうです!
ぼく、高校生じゃないんですけど…(-_-;)
今日の相談者のこぐまさんです。どうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
幼稚園から高校までの一貫校に在学中で、大学受験を控えている高校3年生の娘がいます。
子どもが小さい時からなのですが、「甘やかし」と「尊重」の違いがよく分からなくて、はたから見ると「甘やかしじゃないの?」といわれることも多く悩んでいます。
お母さんとしては、自主性を尊重しているんですよね?
はい。周囲にはお受験ママのような人も多くて、中高に進学するときには教育方針から子どもの進路を誘導する親もいます。うちは少し違っていて、自由に選択させて自主性をもたせて育ててきたつもりです。
なるほど。
でも娘は、高校進学と同時に環境が大きく変わったせいか、私が期待した性格じゃない性格になってきている気がしています。
何かつまずいている感じがあるのですが、私に何も相談しないんです。
前は、「学校を休みたい」と言われたら嘘をつかない前提で受け入れていたんですが、最近は考えていることが分からなすぎて、「これじゃマズイのかな…。」と不安になってしまい、自主性を育てる方針が揺らいでしまっています。
中学と違って単位の問題もあるので、最近では「ダメだよ。行きなさい。」「簡単に休んだりしちゃダメじゃない?」って。
年齢と共に厳しくしていかなくちゃいけないのかな?って考えてしまうのですが、これで合っているのか分からないんです。
今は大学受験を控えていて、本人の行きたい学部や方向性は決まっていますが、何の相談もなしに決めてしまうし、アドバイスしても反発してしまうんです。
「自由に育てすぎたからかなぁ。」「甘やかしすぎたのかなぁ。」と責任も感じていて、どうすればいいか…。
母親に何でも話す女の子は多いんですが、娘さんは自分でいろんなことを決めたいタイプなんですね。
そうかもしれません。もしかして、自主性を育てたつもりなのに、甘やかしになっていて反発しているのでは?と考えてしまいます。
いや、お母さんは、子どもの選択にお母さんの責任を置きすぎですよ。
置きすぎですか?
子どもはね、どんな育て方をしても親の言う通りにはなりません。
「こういう風に育てよう。」と思って育てれば、その通りに育つと思うのは、親の思い込みです。
いくら親の遺伝子を受け継いでいても、遺伝子のどこを受け継ぐかは違います。ですから、姉弟でも全然違うんです。子どもにはその子ども特有の性格があり、一人一人独特なんですよね。
親の方針はそれぞれ違っていいのですが、子どもはその通りにはならないんです。
例えば、親が間違えていたとしたら…
そもそも育児方針に、間違ったものや、間違いないものなどありません。
子育ての教科書にはいろいろなことが書いてありますが、その通りに育ったら、みんな画一的になってしまいます。
でも、多くの親は自分の子育てに自信がもてないからつい本を頼ってしまいます。
その気持ちはよくわかります。ですから、育児本通りにいかないと悩むお母さんは多いですよね。
子どもの受け止め方もたくさんあるんです。親の指示でもそれに反対したり、そのまま受け取る子もいれば、ちがう選択肢を選ぶ子もいるんです。
具体的な子育ては、子どもそれぞれの性格を見てやりとりすることが必要になります。
はい。
ですから、きつく、きちんと育てていたらいい子になったかっていうと、そんなことはないんです。逆に大反抗期を迎えたりする子もいますしね。
基本的に子どもが自分の思った通りに行動していたら、よほど変な行動でない限り、私は間違っていないと思いますよ。子どもが自分で決めようとしているわけですから、お母さんの期待通り、自主性が育ったといえませんか?
そこに、あまりお母さんの責任を感じない方が良いです。むしろ責任感を持ちすぎると、「私が悪かったんじゃないか」と罪悪感を抱えることになりますよ。
本当は娘に、あれもこれも教えてあげたいんです。 周囲は上手に段取りしてあげていて、うまくいっているようなので。
本当にうまくいってます?(笑)
どうでしょう(笑)隣の芝生は…じゃないですけど。
そうですよね。だって人の家庭の中は見えませんから。とくに日本は、外の顔と内の顔をきちっと分けて、絶対外には見せたくない人が多いのです。人からは分かりにくいはずですよ、家庭の事情って。
家では口が悪かったり、大きな音を立てたりしていても、外面は最高なんですよね。はたから見れば「ステキなお嬢様、すごく育て方が良かったんだろうね。」と言うと思います。
そうなんでしょうか…。
はい。ですから、「よそはいいな。ちゃんと厳しく育ったからいい子に育っている。」っていうことはないです。それは隣の芝生ですよ。
高校3年生くらいになれば、どの家庭でも何かしらの不安や問題を抱えていますよ。お母さんが甘やかしたからこうなった、なんていう風には思わない方がいいです。
娘は部活をしていないんですが、娘の友人は部活をしているんです。
朝練や試合で頑張っている姿を見ていると、ちゃんと今の自分ができる限りのことを頑張っていて、青春しているなぁって羨ましい。うちは、何かを間違えちゃったのかなって不安になってしまいます。
もし間違えているとすれば、それは子どもが間違えたのであって、お母さんが間違えたわけではありません。そういった風に何をしても自分を責めてしまうと、全部自分が悪くなって周りの人ともお子さんと対等に話せないですよね。
そうですね
例えば進路の話があっても、お母さんの期待通りでないと「そんなこと考えていたの?私の育て方が悪かったから…」となるのは酷ですよ。
はい。もし、相談してこなかったらどうしましょう?
いいじゃないですか~!自主性があって「こうしたよ。」という報告さえあれば。
それは、どんな報告でもですか?
どんな報告であれ、その子が決めた将来ですから。その判断が正しいかどうかは、お母さんが決めることではありません。子どもが決めることです。
2~3年前に流行ったアドラーの「嫌われる勇気」という本では、自分の問題と人の問題をきちっと分けなさいと言っています。これは、親子関係でも同じです。別の人格ですから。
自分が産んで育てた子ですから、よその子と違うというのは当然です。
親は小さい頃からずっと育てていますから、いつまでも手を掛けたくなりますが、もう高校生ですからね。何でも自分で決められますよ。
親は、あたたかく見守るのみです。
そうですね…。
子どもから相談があったときには、相談にのってあげてください。自分で何事も決められることは、ちゃんと育っている証拠ですよ。
子どもが自主的に判断すれば、大体間違いもするし壁にもぶつかりもするのではないかと感じてしまうところはありますが?
そうですよね。でも、子どもの判断が正しいか正しくないかは分かりません。これからの世の中ならなおさらです。
実は、私が大学の学科を選ぶときにも、親から大反対されました。高度成長期の前、当時の男の子はみんなエンジニアに憧れていたし、国家の望みでもあり、親の望みでもありました。
そんな中、心理学を選んで「お前は占い師にでもなるのか。」「お金なんて出さない。」とも言われましたね。でも、結果は分からないですよ。私がこうしてここにいるのは、心理学のおかげで、無理矢理親と対立して、無理矢理心理学をやったことによるんです。
そうですよね。私は娘との会話が少ないから、理解してあげられないのかもしれません。そっとしておくのが苦手なのかもしれないです、私。心配しすぎてしまって…。
お母さんに話すと、「どうなってるの?」って追及され、反対されるのが嫌なんですよ。色々言われるのがね。お母さんが少し過干渉なのかも(笑)
お子さんの言うことに「Yes」といえるお母さんになってください。
(笑)
今回のような「育て方が間違っているかもしれない。」という話は、逆に子どもを縛りつけすぎた人にも多いように感じます。どこか似ている部分があるような気がしますね。
そうですね。たいてい子どもは、小さいうちは親の言うことを聞きますから。
親も「自分の思った通りに育てる!」と枠にはめる人がいます。でも、中高生になると子どもが自分の意志で判断し始めるのです。
第二反抗期などと以前は言っていましたが、そうではく、自立期なのです、それを反抗されているように感じてしまうお母さんが多いはずです。
自主性を重んじるにしろ、ガチガチに規律で育てるにしろ、親の思った通りに育てたい気持ちも分かるんです。でも、それに反発するか従うかは、本当に子どもの選択だなぁと感じました。
確かにそうですね。
そう、子どもの性格や選択によりますよね。そこには、残念ながら親がタッチできない。
自分の子どもが思い通りに育たないことで、自分の人生設計が狂ったように感じるのは、親としても楽しくないじゃないですか。
親は、「自分は育て方を間違えたとか思いすぎで、教育方針や子どもの今の行動に対してあまり責任を感じない方がいいですね。
愛情をかけてあげているのに伝わっていないのかなとか、思うときがありますよね。
そうなんです!
どちらで育てても、きっとそういう風に思いますよ。親の思った通りに育たないと。でも、子どもは絶対に思った通りには育ちませんから。
子どもは子どもの自主性で動きますので、気に入らないことも半分、気に入るところも半分あるということです。
自分の親とのことを考えてみてください。多分親の思い通りにはしなかったはずです。
自分の子の問題と同じことを、自分対親であったらどうだっただろうと考えることが大切です。すると子どもの立場が分かります。また、考えすぎもわかります。
親に責任を感じられたらどうか。子どもは申し訳ない気持ちになって、親子で気分は下がる一方です。そうならない為にも、子に干渉しすぎないよう、親の自立が何よりも重要になってきますよ。
そうですね。見守ることはすごくエネルギーがいる事ですが、やってみます。
きょうはありがとうございました。
【第14回】「人間関係の心理学」は、 とにかく1番じゃないと嫌。1番を取れないものはやりたくないと拒否する小学生の娘の対応に悩む女性ゲストが登場します。
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この記事を担当した人
わん子
やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機と空を見上げること。