新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
仕事・働き方
2020.03.3
将来のことを考えて悩んでいる人、やりたいことが見つからずに困っている人、やりたいことはあるけれど足踏みしてしまっている人にぜひ読んでほしい。
幅広い世代に大人気の保護猫カフェ・ネコリパブリックは、「2022年2月22日までに猫の殺処分を0にしたい」――という想いをもって、精力的に活動を行っています。お店を訪ね、活動にかける想いをうかがいました。
皆さん、「保護猫カフェ」はご存知でしょうか?
いえその前に、犬猫がどれほど殺処分されているかご存知ですか?
平成30年度には、犬猫合わせて殺処分数は4万匹弱。
そのうち猫は3万匹ほどを占めています。
実は、犬よりも猫の方が、殺処分数はとても多いのです。
そんな猫の殺処分数を減らしたい、0にしたいという思いを持っている「ネコリパブリック」は、多方面から保護猫活動を行っています。
そのうちの1つ、保護猫カフェのネコリパブリックは、保護猫を里親希望者に届ける役割を担っています。
今回は、お茶の水店を取材します。
店長の内川さんに、モチベーションの出どころをうかがいました。
▶公式HP ネコリパブリック
▶店舗紹介 お茶の水店
初めに、ネコリパブリックの活動、方針について教えてください。
ネコリパブリックは、2022年2月22日までに行政による猫の殺処分を0にするために、保護猫カフェの運営と、保護猫についての啓蒙活動を行っています。
保護猫カフェは、それぞれの店舗がある地域の保護団体から猫を預かり、新しい里親を探すという仕組みです。 猫カフェやペットショップは、主にブリーダーさんなどと契約しているので、そこが違いになります。
啓蒙活動は、どんなことをされているのですか?
例えば、商業施設などでポップアップショップを展開したり、蔵前にあるNECOREPA STOREでオリジナルグッズを販売したりしています。
商品自体に魅力を感じてもらい、収益が保護猫のご飯代や医療費にあたるとお伝えできるので、お買い物することで、保護猫について知ってもらうきっかけになるんです。
本当に素敵なグッズがたくさんありましたので、ご紹介しますね!
▶オンラインショップ NECOREPA STORE
また、「ネコ市ネコ座」というネコに関するお祭りを年に数回行っています。
ネコ雑貨を販売されている作家さんに参加してもらったり、ステージでの演奏、獣医さんによる猫のセミナー、地域猫活動をしている保護団体によるディスカッションなどを行ったりしています。
2日間で約5000~6000人のお客様にご来場いただいています。
多くのお客様に興味を持っていただけているんですね!すごいです。
内川さんは、本部での業務に加え、お茶の水店の店長も兼任されていますが、お店でのお仕事について、1日の流れを教えてください。
朝は、ボランティアさんにも協力していただきながら、猫にご飯をあげたり、トイレ掃除、店内の清掃や消毒を行ったりします。
オープン準備をして営業を行います。また、お問い合わせも多いので閉店後にもその対応をします。
里親になりたい、ボランティアをしたい、猫を保護してしまったというのが多いですね。
保護猫カフェネコリパブリックでは引き取りはしていないので、里親探しの方法をお伝えしています。
とても忙しそうですね、お茶の水店では何人くらいの方が働いていらっしゃるのですか?
スタッフは5人、ボランティア登録者は100人以上います。
ボランティアさんは、週1で来て下さる人は15人前後、隔週で来たりイベントをお手伝いしてくれたりする方もいます。
ご飯やトイレ掃除などをボランティアの方に手伝ってもらい、健康状態の管理はスタッフが行ってというふうに協力しています。
猫は25匹いて、それより増えないようにしています。
25匹も猫がいると気を配るのはとても大変そうですが、特に気をつけていることはありますか?
やはり猫の健康状態ですね。猫は風邪を引きやすい動物なので、くしゃみや鼻水のチェックは必ずします。
あとは食事です。体調が悪くなると食欲がなくなります。
食べ方も見て、普通と違う食べ方をしていたら、口の中が痛いのでは?気持ち悪いのでは?と気をつけて見ています。
他にも、猫は膀胱炎になりやすいので、トイレに頻繁に出入りしてないかなど見ています。
猫の行動の異変には気をつけていますね。
健康管理だけでも目まぐるしそうですね。
では、例えばメンタルケアなど、保護猫だからこそ気をつけていることはありますか?
いろんな事情で保護された子が多く、外にいて怖い思いをした子、人に慣れていない子もいます。
猫は怖くて攻撃してしまうことがあるので、まずはお店に訪れてくださったお客様に怪我が無いように気をつけています。
猫同士の相性やメンバー変化による猫の関係があるため、それに合わせて部屋を分けることもあります。
猫の出入り(里親に引き取られ、地域の保護団体から新しく保護猫を預かるサイクル)はどれくらい激しいんですか?
月に3~5匹ほど卒業して、そして新しい子が来ます。
入店待ちの猫は何十匹もいますが、猫の数が多すぎるとストレスが増えてしまうので、調整しています。
保護猫活動に興味を持ったきっかけは?
結婚して猫を飼うことになって、猫について知っていくうちに殺処分が犬よりも猫の方が多いと知って、ショックを受けたんです。
何かできないかなと調べていたときに、千葉にあるシェルターでボランティアを募集していると知って、そこでボランティアを始めました。
ご飯をあげたりトイレ掃除したりするボランティアに週1で通っていました。
お仕事と並行してやっていましたね。
お仕事をやりながらだと大変そうですね。
当時のモチベーションは何でしたか?
とにかく猫が殺処分されている現状が辛くて「猫を助けたい!」という気持ちが強かったです。
今でももちろん、その気持ちは、変わらず持っています。
お仕事の難しいところは何ですか?
猫1匹ずつ性格が違うので、人に慣れていない子が人に慣れるような訓練ですね。
あとは健康管理が難しいです。
人に慣れさせる訓練ってどんなことをしているんですか?
猫によって違うんですけれども、まずこの環境が怖くないと思ってもらうために、無理やり触ることはしません。ご飯をあげてトイレ掃除だけ、それで安心してもらいます。
それから様子を見て触ったり、おやつをあげたりと試行錯誤していますね。
時間をかけて安心してもらうのが一番なんですね。
お仕事で面白い、興味深いと感じるときはありますか?
慣れていない子が、どんどん慣れていく変化がとても面白いです。
里親さんのお宅に行くと、猫の顔が変わっていて、自分だけの家という、飼い猫の顔になっているんです。
その顔を見たり、里親さんから聞いたりすると、安心感と達成感がありますね。
里親さんに保護猫を引き取ってもらうまでの流れを教えてください。
まず里親希望者さんが来て、「この子がほしい」となったときに、里親希望アンケートを書いていただきます。
お部屋の写真や間取り、ペット飼育可が分かる書類を提示してもらい、問題がなければ後日面談をします。
そこで不安な点などを確認し、問題なければトライアルの期間を2週間設けます。(もしくは猫を飼育したことがない方には、お店で爪切りなどのお世話体験をしていただきます。)
トライアルの際には、スタッフが猫をご自宅にお届けして、猫にとって危険なものがないかどうか確認します。
例えば、危険なものってどんなものがあるんですか?
観葉植物が危険だったりするんです。
ユリ科の植物だと、食べたり、身体に付いた花粉をグルーミングで舐めてしまったりすると中毒症状を起こしてしまうこともあるので。
また、脱走する危険性がないかどうかの確認もします。
トライアル開始後、1週間後と2週間後に様子を伺って、問題がなければそのまま正式譲渡という形になります。
保護猫の幸せと里親希望者さんの不安解消のために、とても手厚いサポートをされているんですね。
里親になりたい方は、お店に来て決めるんですか?
そうですね。
「どの猫にするか決められない!」っていう人は、アンケートをもとに、その人のライフスタイルに合わせて猫をおすすめすることもできます。
甘えん坊な猫なのに、お留守番が多いお宅だと難しいので、寂しくないように仲の良い猫2匹で譲渡することもあります。
逆に他の猫が苦手な猫もいるので、1匹でおすすめすることもありますね。
仕事で充実感や達成感が得られる瞬間はどんなときですか?
猫の譲渡が決まったときと、大きなイベントが無事に終了したときです。
イベントでたくさんのお客様に楽しんで帰っていただいたり、勉強になったとお声をいただいたりしたときは、達成感がありますね。
では保護猫活動(お仕事)やイベント運営などを行っているときに意識していることは何ですか?
保護猫について知らない方がたくさんいらっしゃるので、その人たちに殺処分の現状をお伝えすることです。
ペットショップで買う人の10人に1人が保護猫を迎えれば、殺処分は0になると言われています。
なので、猫を飼いたいと思ったときに保護猫を選択肢に入れてもらえるように、と。
10人に1人!そう聞くと、実現できそうな気がしますね。
また、保護猫って病気を持っているのでは?汚いのでは?というイメージを払拭するため、お店を清潔に保ったり保護猫について知ってもらったりすることで、保護猫は汚くないよ、怖くないよと気軽に知ってもらおうと努力しています。
内川さんの目標は何ですか?
殺処分される猫を0にすることに加えて、外にいる野良猫と言われる猫がいなくなることです。
保護猫を家族として迎えることが一般的になってほしい、日本の文化になってほしいと願っています。
では、お仕事のどんなところに夢があると思いますか?
猫は人間と同じように1匹ずつ性格が違うのですが、慣れていない猫でも無事に新しい飼い主さんが決まったり、飼い主さんのもとでお店にいた時とは違う「幸せそうな顔」を見せてくれた瞬間は、スタッフの方が幸せな気持ちになります!
全ての猫に、幸せになって欲しいと思います。
猫たちに幸せになってもらうためにも、殺処分0を達成しなければいけませんね。
殺処分の現状はどのようになっているんですか?
10年くらい前まで、毎年およそ30万匹が殺処分されていました。現在は、年間約3万匹の命が消えていっています。
地域のボランティアさんたちがTNR活動(地域の猫の不妊去勢手術をして同じ場所に戻すことで、不幸になる猫を産ませないという活動)をすることで年間2万匹ずつくらい減っていっているんです。
▶TNR活動とは TNR地域猫活動について
殺処分0に向けて進み続けていますね!
ただ、殺処分0にとらわれすぎてもいけないと思います。
殺処分0になっている地域では、収容所から引き出しているボランティア団体さんに負担がかかっている場合もあるので…
なるほど…難しいですね。
適正な飼育ができる方、責任を持って最後まで飼える方が増えれば、全ての猫に幸せになってもらえると思います。
そのために、啓蒙活動も頑張っていきます!
全ての猫が幸せになれる、夢のある活動ですね。
保護猫を迎え入れる際には手厚いサポートをしていただける場所、
そして例え保護猫を迎えることができなくても、グッズを買ったりカフェに行ったりすることで、保護猫活動をサポートできる場所が、ネコリパブリックです。
内川さん、本日はありがとうございました!
あわせて読みたい
新着コンテンツ
この記事を書いた人
よしこ
普段関われないような人の話や考えを聞くのが好きです。あと桃が大好きです。男子バレーのイタリアを応援しています。東京五輪が楽しみです。