仕事・働き方

ラッパー・CHARLES「ネガティブは悪いことじゃない」苦悩を耐えぬく力とは

2020.05.27

シングルマザーとして2児を育てながら、ヒップホップ界の最前線で活躍するラッパーのCHARLES(シャルル)=Charluさんに、前向きに生きる方法についてうかがいました。
▶ミュージシャンインタビューシリーズはこちら
 
  

 
  

CHARLES(シャルル)

現在名:Charlu。1995年1月2日生まれ。東京都品川区出身。2014年より本格的にラッパーとして活動を開始すると、チャーミングなルックスと確かな実力で話題に。第一生命保険のCMやTVアニメ「十二大戦」のプロモーション映像のCMにも抜擢されるなど、今後のさらなる活躍が期待される女性ラッパーだ。SNSでは、2児を育てるシングルマザーとしての日常などを発信している。

 

ラッパーCHARLES
誕生秘話


 

やる気ラボの勝部です。
本日はよろしくお願いします。

 

よろしくお願いします。

 

さっそくですが、CHARLESさん。
CHARLESさんとヒップホップの出会いを教えてください。

 

私とヒップホップの最初の出会いは「最悪」でしたよ。

 

え、最悪?

 

中学生の時に、野球部のよく殴ってくるようなやつがいたんですが、そいつらが聴いているような音楽というイメージで…。最初は、嫌悪感が強かったですね。

 

それは良い思い出ではないですね…。
それでは、どうしてラップの道に進まれることになったのでしょうか?

 

18歳の時に付き合っていた彼氏とよく一緒にカラオケに行っていたのですが、その人がヒップホップが好きな人で、彼にいろいろな曲を教えてもらったんですよ。
中でも、Anarchyさんの「Magic Hour」という曲が男性パートと女性パートに分かれている曲だったので、私は女性パートを頑張って覚えて彼氏と一緒に歌いたいと思ったんですね。

 

ふむふむ。

 

それで、YouTubeでAnarchyさんを検索して曲を聴いてみたら、「なんだこれ!」って面食らってしまった。ちゃんと本人の音源を聴くのは、その時が初めてでしたから。

 

 

Anarchyさんの、どういったところに衝撃を受けたのでしょうか?

 

すべてですね。声とか外見とか…本当に憧れだったんです。
「私もああいう風になりたい!」と思っていました。それがきっかけで、ヒップホップの道にどっぷりとハマっていきましたね。

 

「かっこいい」と思っても「なりたい」という人は、女性では珍しい気がします。CHARLESという名前も、普通は男性に使われる名前ですよね?

 

そうなんです(笑)
好きな人の前ではかわいらしい女の子でいたかったんですけど、Anarchyさんのようなかっこいい男性にもなりたかった。
でも、両立って難しいんですよ。どっちかを頑張ったら、どっちかが自分の理想と遠のいてしまうんです。

 

そういう思いから付けたのが、この「CHARLES」という名前なんです。「勇ましい男」という意味の言葉なんですが、フランス語では「シャルル」というかわいらしい響き。まさに、こんな自分にピッタリだと思ったんですよ。

 

なるほど。そういう意味が込められていたんですね。
女性少数のラップシーンで戦っていくための、決意表明でもあるように感じます。

 

 

 

それぞれの背景を
気遣えるように


 

CHARLESさんはラップに魅了されてからすぐに、自分でも活動を始めたのですか?

 

18歳の1月にTHE罵倒 GRAND CHAMPIONSHIP(MCバトルの大会)を現場で観てからは、原宿サイファー(複数人が輪になって即興でラップをする活動)などに参加したりして本格的にラップ活動を開始しました。

 

そこからすぐに、頭角を現して活躍するのですね!

 

いえ、初めて5か月くらいの時にひきこもりになってしまったんです。

 

なにがあったのでしょうか?

 

彼氏が交通事故で死んでしまったんですよ。ひどく落ち込んでしまって、ラップどころではありませんでした。

 

え…?そんなことがあったとは…。
そんな状態から、どうやって再びラップをしようと立ち上がることができたのですか?

 

彼を亡くしたときに母がこう言ってくれたんです。「あなたの大切な人なんだから、むこうできっとパパたちが彼のことを助けてくれるよ」、と。私は、中学生の時に大好きだったおばあちゃんを、高3の時に父を病気で亡くしているんですが、 その言葉を聞いて「彼らが守ってくれるなら大丈夫だ」と信じたんです。

 

自分もつらいはずのお母さんが、CHARLESさんを勇気づけてくれた。
親しい人たちの言葉って、本当にすごい力がありますよね。

 

今思えば当時の私は純粋すぎるような気もしますが、母のその言葉にはとても救われましたね。

 

 

そういった経験を経て、CHARLESさんに何か変化はあったのですか?

 

いちばん多く学んだのは、「人には自分が想像できない部分がたくさんある」ということです。

 

想像できないこと?

 

はい。人って、ちょっと話を聞いただけですべてを理解したような感覚になるじゃないですか。例えば、「シングルマザー」や「生活保護受給者」って聞いたら、「あぁ、かわいそうな人だろうな」「つらいだろうな」と勝手に決めつけてしまう部分がある。でも、そんな人たちでも、いろいろな背景を持って生活しているはずなんですよ。
私は彼の死を機に、見えない側面というものが人それぞれにあるんだから、そこを理解して寄り添える人間でありたいと強く思うようになりましたね。

 

確かにその通りですね。笑っているように見えても、心は泣いているかもしれない。人それぞれの見えない部分、人それぞれが意識していかないといけないことですね。

 

また、「ネガティブなことを考えるのはよくない」と一般的に言われることがありますけど、私はそうは思わないようになりました。

 

それはどうしてでしょう?


人の言葉や何かの悲しい出来事で傷ついて考え込んでしまうということは、裏を返せば他人を気遣えるということでもあると思うんです。自分がこう言われたら落ち込んじゃうから、あの人はあんなこと言われて大丈夫かなという風に。

 

確かに。僕も「自分はネガティブだな。直したいな」と考えがちですけど、そのようにとらえられると明るくなれる気がします。
でも、その優しさや気遣いって、相手とののしり合わないといけないMCバトルになるとアダになったりしないのでしょうか?

 

逆にそれが、MCバトルに生きているのではないかと思います(笑)
バトルをするときは、そのスイッチが逆に振り切れているので、相手にとって嫌な言葉がすぐに浮かぶんだと思いますね。

 

なるほど!
じゃあ、MCバトルの巧者は、実はみんな気遣いの達人なのかもしれませんね(笑)

 

 

 

つらいことだらけでも
子どもたちがいる


 

CMへの出演やアルバムの発売など、目覚ましい活躍を見せているCHARLESさんですが、ラッパー活動をしていてつらい思いをした経験はありますか?

 

ありますよ、たくさん。

 

例えばどんなことでしょう?

 

主に3人で渋谷サイファーをしていたんだけど、いちばん下手な人が7.6キロくらいのスピーカーを持つという決まりがあったんです。自分がどんなにうまくなっても、周りはさらにうまくなっていく。いつも重たいスピーカーを持ちながら、取り残されたような感覚を抱いていました。

 

なるほど。

 

また、ラップを教えてくれた人とは一緒に生活していたこともあったのですが、公私ともにいつも怒られ続けていたんです。ラップのことならまだしも、人格を否定するようなことまで言われて、「私、なんで生きているんだろう」みたいな。すべてのことにおいて、言葉を発するのが怖くなってしまった時期がありました。

 

言葉を発するのが怖い…。具体的にはどういう状態ですか?

 

実家に帰ったときでさえ、「おかえり」と言われたことに対して何を返せばいいのかわからなくなってしまったんです。「ただいま」っていったらこう思われるし、「ごめん」っていったらああ思われるし…、どうすればいいんだろうと悩みました。そういう状態が、本当につらかったですね。

 

そんな苦悩を抱えながら第一線で頑張ってこられたとは、想像もしていませんでした。

 

 

そんな苦しい思いをしながら、どうして今でもラップを続けることができているのでしょうか?

 

それは、子どもたちの存在があるからです。

 

2歳と3歳のお子さんでしたよね。

 

彼らの成長には、日々驚かされています。 爆笑するような変なことを言ってきたかと思うと、こっちもびっくりするような賢いことを言ってきたり、そんなことを覚えていたのか!というような、昔のことをしゃべったりするんですよ。

 

お子さんへの愛が伝わってきます。お子さんのそんな笑顔が、CHARLESさんの最高のやる気スイッチなんですね。

 

そうですね。この狭い環境の中で、いろいろなことを勉強していろいろなことをしゃべっているわけだから、もっと広い世界に連れて行ったらどんな顔をするんだろうか。どんなリアクションをして、どんなことを考えるのかな。そう思うと、いっぱい稼ぎたい、頑張りたいと思うんですよ!

 

ありがとうございました!
これからのCHARLESさんの活躍を期待しています。

 

 

CHARLES (シャルル) の1st Album『GO』。2児の母としての日常を綴ったlyricに、TrapからClassicまで、あらゆるビートを乗りこなし、自身の怒りや苦悩を表現した楽曲の数々。ヒップホップやラップへの愛や情熱を感じる確かな内容のアルバムだ。詳細はこちら Pocochaでライブ配信中

 




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この記事を書いた人

勝部 晃多

やる気ラボの娯楽記事担当。趣味は、プロ野球観戦(広島)・競馬(芦毛)・温泉(アルカリ性泉)・読書(古い小説)等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているとかいないとか。性格は柴犬のように「頑固」&「愚直」で、やる気ラボの成績向上のためには火水もいとわない男、と自称している。

 

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