仕事・働き方

VACON「ネットという海」で泳ぎ続けるラッパーの素顔

2020.03.9

「HATED JOHN」や「Afro Man」などの話題作を生み出し、現在もネットを舞台に活躍するラッパー・VACONさんに、そのやる気の源泉についてうかがいました。
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VACON(ベーコン)

愛知県出身。2012年3⽉、ニコニコ動画に「HATED JOHN」を投稿しネットラップ界に登場。以降、ネットを中心に積極的な音楽活動を開始。独特な歌声とメロディアスなフロウが脚光を浴び、投稿した動画は合計で約330万再⽣を記録する。2020年の3⽉には、元SOUL’dOUTのBro.Hi率いるミクスチャーバンドE.P.Oとコラボ。「⽇本一のラップスキル」とも評され、今後のさらなる活躍が期待されるラップ界のホープだ。

 

ネットの情報は
永遠に残り続ける


 

早速ですが、VACONさん。
VACONさんとラップの出会いを教えてもらえますか?

 

中学3年⽣の多感な時期に、SOUL’d OUTの音楽に出逢えたことがすべての始まりでした。あの頃の自分は、本当にどうしようもなくて、彼らの音楽だけが救いだったんです。

 

SOUL’d OUTによって、VACONさんはどのように変わったのでしょう?

 

彼らの音楽によって、「ラップ」というものは「どこまでも自由で、奔放で、無限の可能性を秘めた宇宙みたいな表現方法」だという価値観が培われました。僕にとって、SOUL’d OUTはラップの教科書だったんです。

※【関連記事】Diggy-MO’ 現在(いま)も止まらないイマジネーション

 

なるほど。
そこから、自分も「やってみよう」というやる気スイッチが入ったのですね。

 

マネて覚えて歌って楽しんでいるうちに、ふと自分のセンスを試してみたくなり、ひたすら自作曲の制作に打ち込むようになりました。当時の自分に、「ラップをする」以外の選択肢は無かったんです。
振り返ってみると、あの頃の好奇心が、僕のやる気スイッチそのものでしたね。

 

VACONさんの代表作「HATED JOHN」が誕生したのもその時期ですか?

 

はい。「HATED JOHN」は、僕が初めてちゃんと完成させたオリジナル楽曲なんです。あれは19歳の、冬が終わり春が来る頃のことでした。

 

 

「HATED JOHN」を初めて公開したのは、CDでも音楽ストアでもなくニコニコ動画でした。
なぜVACONさんは、ネットを主な活動の場に選ばれたのでしょうか?

 

当時の僕にとって、ネットは非常に怖いものでした。便利であることを実感し、その恩恵に預かりながらも、浸りすぎてはいけないものだという認識を根強く持っていました。

 

え…、恐れていた?

 

はい。
過去の失言や痛い言動等は取り消せず、そこに残り続ける。それを思い出して読み返し、自己嫌悪する。振り返って、後悔する。自分がネットに⼿を出せば、黒歴史しか残らない。ネットの海に一度流してしまったものはそう簡単に消えてはくれず、そこに在り続ける。そういうふうに思っていたんです。

 

驚きました。最初は、ネットにネガティブな印象を持っていたのですね。

 

でも、それと同時に、僕の心の中に「生きた証を濃く永く残したい」という欲求があったんですよ。
だから、簡単には消すことができないというネットの欠点を逆手にとって、渾⾝の「HATED JOHN」をネットの海に放り投げることに決めました。

 

とても勇気のある決断だったのではないでしょうか?

 

心のどこかに、「これ1回きりで最後だから」という気持ちがあったからかもしれません。
今となっては「それが最初」(音楽活動のスタート)になったので、⼈⽣のままならなさを感じています。

 

「HATED JOHN」の投稿から、つまりVACONさんがラッパーとしてのキャリアをスタートさせてから、今年で8年目になりますね。

 

今はただ、ネットの海に⾝を任せている感じです。
「残って困るようなこと、しないようにしないとな」って、今でもちゃんと思っていますけどね(笑)

 

渾身の作品を引っ提げて、ネットの世界に飛び込んだVACON

スキルアップの秘訣は
超シンプル


 

改めて、VACONさんの具体的な活動内容を教えてもらえますか?

 

基本的にはYouTubeやニコニコ動画に、自⾝のオリジナル楽曲や、コラボ作品、マイクリレー等をアップロードしています。
YouTube Liveにて⽣配信をおこない、作品に関しての思い出や裏話を喋ったり、リスナーの皆さんと触れ合ったりすることもありますね。

 

そのような活動の中で、顔出し等を一切されないのはどうしてでしょうか?

 

僕は「声のイメージ」を大切にしたいので、顔出しは控えています。
ただ、ライブをすることは常に⼤きな⽬標として持っていますよ。今は、ライブを意識した楽曲作りもしているんです。

 

VACONさんのライブを、心待ちにしているファンは多いはずです。

 

ライブをはじめ、これから実現に向けて頑張りたいことはたくさんありますね。

 

 

3月には、VACONさんがラップを始めるきっかけになった元SOUL’d OUTのBro.Hiさんと共演を果たし、「日本一のラップスキル」※とも評されました。
VACONさんのその卓越したラップスキルは、どうやって磨かれたものなのでしょうか?

※【関連記事】Bro.Hi(元SOUL’d OUT)が語る現在地「今、やりたいことを夢中に」

 

僕はとにかく色んな種類の音楽を聴いて、カッコよく聞こえる歌い方ができるようになるまで歌い続けることを繰り返してきました。
そうしようと努めていたわけではなく、それがただ楽しくて、個⼈的にこだわりたかったことだったんです。

 

「楽しみ」と「こだわり」ですか。

 

そうです。そしてそれは、作曲に関しても同じでした。
プロの曲を、耳コピで1から打ち込んで聴くと、ドラムがこうなってて、ベースがこうなってるから、ピアノがこう聞こえる…みたいな、細かい感覚が叩き込まれてくるんです。そして、これまた自分で再現してみたくなるんですよ!

 

まずは、マネすることから始まるんですね。

 

マネて学んで繰り返して、自分の個性に出会うまでのすべてを楽しむこと。僕はこれが、スキルアップするためのいちばん重要なことだと思っています!

 

マネて学んで繰り返す…。
音楽だけではなく、スポーツや勉強のレベルアップにも通じることですね!

 

「心から愛せるか」を常に意識しながら作曲している

やる気なんて
後からついてくる


 

VACONさんの楽曲制作への「やる気」って、どこから湧いてくるんですか?

 

「何が何でも表現したいもの」が頭の中にあると、それを現実の世界に最もいい形で持ってくるために躍起になれるんですよ。抱える悩みを整理して、言葉にして話せば楽になることがあるように、僕は僕の内側にある世界を排出して清々しい気持ちになりたいんです。

 

なるほど。
友達に悩みを相談したり日記に文句を書き込んだりするのと同じ感覚が、VACONさんにとっての楽曲制作なんですね。

 

また、「俺がやらなきゃ誰がやる」の一心で、脳内の全てを形にしようと努めていますね。

 

それでもやる気が出ないことってあると思います。
活動の中で「やる気」を失いかけた時、VACONさんはどうしていますか?

 

素直に今はやる時じゃないと割り切って、寝たり食べたりゲームしたりしていますよ。音楽は、一⽣付き合っていくと決めているものですから、距離感は⼤事だと思うんです。

 

好きなものこそ、一定の距離感が大切なんですね。

 

それに、ただなんとなくやりたくなった時に、なんとなくやっていると、「やる気」は後からついてきてくれますから。常に、自分の中の「やる気」を信じてあげるようにしています!

 

 

「やる気が出ない」「やりたいことが⾒つからない」といった悩みを抱えている読者のみなさんに向けて、夢に向かって頑張るためのアドバイスをお願いします。

 

アドバイスといえるほど頼り甲斐のあるものではないかもしれませんが、ほんの少しでも心が傾くものがあれば、探求して損はないと思いますよ。

 

ほんの少しでも…ですか?

 

僕は、「まあ、興味なくもないかな…」くらいの関心があれば十分だと思います。それを、少しだけ頑張って続けてみてください。
何気なくやっているうちに、さらに続けたくなる気持ちが芽⽣えたらラッキーじゃないですか。

 

なるほど。
確かに、最初からやる気マックスになれるものって、めったにありませんもんね。

 

やる気スイッチは、自由に扱えるものではないんですよ。きっと、自分の知らない間にカッチリ入っているものだと思うんです。だから、やる気がでないという悩みを抱えている方は、ぜひ些細なきっかけ作りを増やしていってほしいですね!

 

最後になりますが、8周年を迎える2020年の意気込みを教えてください。

 

今年もファニーでクールでチャーミングなラップをしていきたいと思っています。どうぞ皆さん、可愛がってやってください!

 

ありがとうございました!
これからのVACONさんの活躍を期待しています。

 

all illust by ほなと(@h_o_n_a_t_o )

 

 


 

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この記事を書いた人

勝部 晃多

やる気ラボの娯楽記事担当。日本温泉地域学会会員。全国温泉番付のオリジナル版を作成することをひそかに夢見ており、直近2年間で訪れた温泉地は30湯を越える。無類の野球好きでもあり、カープファン暦14年目を迎える今季は、15試合以上の観戦が目標。BCリーグにも食指を動かしている。

 

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