やる気レポート

【連載】思考力や探究心を育むには|2020年、子どもたちの「アクティブ」な学びを考える(2)

2019.02.15

【今回のポイント】
・基礎知識と基礎学力の十分な習得は欠かせない。

・興味や関心をもてるように、直接的な体験の機会やきっかけを作ろう。
・経験を、知識や日常の生活と結びつけよう。

【連載】2020年、子どもたちのアクティブな学びを考える
1. 未来を担う子どもたちに、これから「求められる力」とは
2. 思考力や探究心を育むには
3. 習い事やお稽古事は早くからやらせた方がいい?
4. 「勉強しなさい」は効果的?
5. 経験や体験を親子で共有し、子どもの興味・関心を広げよう。
6. 情けは人のためならず~「みんなの学校」のために~




<第2回>思考力や探究心を育むには

 これからの社会では、思考力や探究を通じた新しい知の創造とともに、それを全世界にいる他者に向けて発信できる能力が求められると言われています。これまでの記憶力や暗記量を中心とした知識重視の詰め込み型学力のみならず、知識を日常の生活場面で活用し、批判的な思考を通して、さらに深く探究しようとする意欲も含めた学力が新たに重視されるというのです。

 この新しい学力を育むには、どうすればよいのでしょうか。

 (1)何よりも基礎知識や基礎学力を十分に習得することです。批判的に思考したり、深い探求をするためには、基礎知識の習得がなければ始まりません。計算の解や図の面積を求めるには、数式や公式を習得しておく必要があります。コミュニケーションや人前で発表を行うためには、正しい読み書き能力が前提になります。基礎知識を土台にし、それを活用することで、新しい学力を育むことができるのです。知識という素材や土台がなければ、思考力や探究心といった作品や建物ができないという理屈です。

 (2)子どもがあらゆる対象にアンテナを広げて興味や関心をもてるように、直接的な体験の機会やきっかけをたくさんつくりましょう。実際の事物にふれたり、多様な直接体験をすることで、教科書や学校の授業だけでは得られない知識や視野を広げることができます。

 (3)経験した内容を、知識や日常の生活と結びつけてみましょう。通り一遍の経験や体験だけでは、深い探究にはなりません。たとえば、スーパーで買ってきた野菜や果物の名称や特徴を事典で確認するよう促したり、私たち(または私たち以外の国の人々)がそれをどのような方法で調理し、食しているのかをインターネットで調べるきっかけを与えてみてはいかがでしょう。

 

 学校の授業が大きく変わると言われていても、これまでの知識習得の基礎的な学びを土台とすることに、大きな変化があるわけではありません。その基礎的な学びを、他者とともに、さらに発展させていくのが新しい学びのスタイルとされているからです。

 言い換えれば、思考力や探究心は、子どもが独力で達成・向上させるには難しい内容です。コミュニケーションの相手、もっといえば、その子自身を高め導いてくれる「他者」の存在なくしては、能力を高めることは困難かもしれません。

 そしてその身近な他者こそ、保護者のみなさまです。とくに家庭では、学校生活をはじめとするその日1日の出来事をふりかえり、話し合う親子のふれ合いや豊かなコミュニケーションの時間を設けるのが、やはり大切なポイントになるのではないでしょうか。

 ――とは言ったものの、保護者のみなさまからすれば、まさにそこがいちばん難しいと感じるポイントだと思います。どうふれ合い、どうコミュニケーションを取るか。次回からは、保護者の方からよくうかがう2つのお悩みについて、私なりの見解をお話ししたいと思います。

 

【連載】2020年、子どもたちのアクティブな学びを考える
1. 未来を担う子どもたちに、これから「求められる力」とは
2. 思考力や探究心を育むには
3. 習い事やお稽古事は早くからやらせた方がいい?
4. 「勉強しなさい」は効果的?
5. 経験や体験を親子で共有し、子どもの興味・関心を広げよう。
6. 情けは人のためならず~「みんなの学校」のために~



●筆者プロフィール

小針 誠
青山学院大学 准教授

こばり・まこと●1997年、慶應義塾大学文学部卒業。2005年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。同志社女子大学准教授を経て、17年、青山学院大学教育人間科学部准教授に就任。現職。
教育社会学や教育社会史を専門とする。著書『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』(講談社現代新書)。

 

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