仕事・働き方

神田澪「140字の物語」の裏側にあった苦悩と歓喜【インタビュー】

2020.05.14

Twitterで人気を集める「140字小説」作家の神田澪さんに、やる気の源泉についてうかがいました。
 
  

 
  

神田澪(かんだみお)

熊本県出身。2017年1月より、Twitterで執筆活動を開始。作品の多くは、青春や恋愛、現代ドラマをテーマにしている。機知に富んだ構成と、どこかはかなげな作風が多くの人々の共感を呼び、現在のフォロワー数は約13万人。人気作は17万「いいね」を記録する。「140字小説」という新しい小説ジャンルを、世に知らしめた若き人気作家だ。

 
  

 

誰もが読める
140字を


 

やる気ラボの勝部です。
本日はよろしくお願いします。

 

よろしくお願いします!

 

さっそくですが、神田澪さん。
「140字の物語」で大人気の神田さんですが、プロフィール欄に書かれている「ふつうの社会人」というのは本当なのですか?

 

はい!ふつうにIT系の会社で働いています。
作家とは真逆なんじゃないかっていうくらいのお仕事をしていますね(笑)

 

それは意外です!
それではどうしてふつうの社会人の神田さんが、Twitterに140字の小説を投稿しようと思われたのでしょうか?

 

ショックを受けたのがきっかけですね。

 

え…、ショック?

 

はい。以前、職場の友人に「何か暇つぶしできるものが欲しい」と言われたので、本を勧めたことがありました。でも、「本は無理。1ページも読めない」と断られてしまったんです。
大学時代は本好きの友達がいっぱいいたんですけど、就職してからは周りに一人も本を読むタイプの人たちがいなかった。それが本当にショックで…。

 

そうだったんですね。

 

それがきっかけで、「本が苦手な人にも読んでもらえるものを書こう!」と思ったんですよ。3年前の1月から、この140字小説を投稿し始めました。

 

なるほど。140字だったら文字が苦手な人でも読みやすいですもんね。
でも、いきなり限られた文字数で小説を書くのって大変だったのではないでしょうか?

 

140字の物語自体は、実は大学時代にも書いた経験があったんです。

 

それはどうして?

 

大学時代、仲間内で文芸サークルをやっていたんです。ある時、自分たちで編集した同人誌をイベントで売ることになったんですけど、100部くらい刷って5冊くらいしか売れなかった…(笑)
あまりに売れなかったから、「Twitterに小説を投稿して知名度を上げよう」ということになったんですよ。

 

神田さんの140字小説は、大学時代のサークルのPR活動から始まり、今の活動に活かされているのですね。

 

 

 

神田さんの作品は、胸を締め付けられるような切ないものから、ユーモアあふれる爆笑必至のものまでさまざまです。影響を受けた作家などはいるのでしょうか?

 

何に影響を受けているのか、自分でもあまりよくわかっていないんです(笑)
でも、昔から芥川龍之介の作品は好きですね。短い物語の中でも考えさせられるテーマがあり、読後に想像が膨らむ作品というのが好きなんです。あとは、大学時代にドイツ文学を研究していたこともあって、ゲーテの作品は何度も読み返すくらい好きですね。

 

純文学なんですね!

 

そうですね。私が書いているのは、エンタメ寄りですけど(笑)

 

神田さんの作品は、本が苦手な人でも読みやすいように配慮されているのを感じます。
ちなみに、ストーリーは自身の体験をもとに書かれているのでしょうか?

 

いえ、自分の体験は書かないようにしています。自分の体験からネタを出していると尽きちゃいますし、友達に「これは私のことだ」と思われちゃいますしね。
基本的には、今日はこれを書こうとイメージして、空想の中から一つひとつエッセンスを取り出していくというスタイルでやっています。

 

毎日、一から物語を作り続けられているのですね。
どうすればそんなに多くの物語を考えられるのでしょうか?

 

発想」って筋トレみたいなところがあるんですよ。
筋トレをサボるとすぐに身体が元に戻ってしまうように、ルーティンが崩れてしまうと考えが出てこなかったりする。 だから私は、毎日考える時間を必ず取ることを心がけています。その時間になると、不思議と物語を思いつくんですよね。

 

神田さんはお仕事もされていますよね。
忙しくて時間が取れないことなどはないのですか?

 

だいたい21時頃に投稿するって決めているんですよ。だから、友達と飲んでいるときなども、その時間になると「ちょっと考えるわ」ってモードに入るんですよね。
周りからは「お金も出ないのに、なんでそんなに切羽詰まってるの」って聞かれたりしますね(笑)

 

そこまでなんですか(笑)
本当に執筆が生活の一部なのですね。

 

執筆にかける時間は1作で4~5分。長い時でも約15分だそう
 
  

比較対象は
「昨日の」自分


 

今では9万人を超えるフォロワーを誇る人気作家の神田さんですが、投稿を始められたときは完全に0の状態からのスタートだったそうですね。

 

そうです。フォロワーどころか、リツイートもいいねも0の状態がずっと続いていました。「書き続けなければいけない」という精神の修行みたいな時期もありました(笑)

 

そんな中で、どうやって書き続けるモチベーションを保っていたのでしょうか?

 

やっぱり、他の人たちの人気作品を見ると心が病んでしまうこともあったので、一旦そういうものは見ないようにしました。そして、自分の作品をリストにして並べてみることにしたんです。

 

自分の作品をリスト化?

 

はい。一昨日と昨日の作品、昨日と今日の作品を並べて比べてみると、少しずつ良くなるのを実感できるんですよ。そうやって成長を自分自身で確かめて、モチベーションを保っていましたね。

 

人と比べるのではなく、まずは自分自身を…。これは、いろいろなことに通じることですね。
でも、それだけで毎日投稿のモチベーションを保てるものなのですか?

 

元々、私は自分の作品に自信がありませんでした。面白い人が他にもいっぱいいるし、自分が書かなくてもいいかな…と思いがちだったんですね。
だけど、毎日投稿を続けていると「投稿を楽しみにしています」「昔のことを思い出して泣きました」「映画を観ている気分になりました」といった感想をいただけるようになったんです。読者の皆さんからのコメントには、すごく勇気づけられてきましたね。

 

続けてきたことで、神田さんの実力が認められたのですね。
でも、嫌な言い方をするようですが、そういう人たちの「いいね」が来なくなってしまったらどうしようという恐怖はありませんか?

 

今でも、「いいね」がこないと落ち込むことはありますよ。
でも、いいねが少なかったら、なんでなのかなと考えるきっかけにしています。私は日々、小説を書くのがうまくなりたいと思ってやっているので、昔の失敗を教訓にして新しい発想を得る方が、落ち込むことよりもよっぽど有意義だと感じています。

 

すごい…。
謙虚な姿勢がステップアップのカギなんですね。

 

 

 
  

求められるうちは
書き続ける


 

読者の皆さんのおかげで頑張れるというお話でしたが、逆につらい思いをした経験はありますか?

 

あります。それはもう、想像を絶するようなひどいことを言われたり…。

 

えぇ。例えばどんなことでしょう?

 

引用リツイートで「バカ」「アホ」「おもしろくない」と言われることもあれば、 DMで「こんな小説、ツイッターに流さないでほしい」と長文で説教されたりすることもありましたね。

 

ひどい。そんなことがあるんですか…。

 

でも最近、ようやく気にせずにやれるようになってきました。受け止めるべきところは真摯に受け止めて、あんまり気にする必要のないことは受け流すようにしています。

 

どうしてそう思えたのでしょう?

 

確かに、書かないことで守れるものも多いかもしれません。けれど、書かないことで失ってしまうものの方がよっぽど多いことに気づいたんです。
自分の作品がどう受け止められるかわからないけど、誰かに求められているうちはこれからも書き続けていきたいなと思いますね。

 

書かないことで失ってしまう…。
作家としての強い意志が感じられます。

 

一晩で5~6作書くこともあるという

 

ところで神田さんは、やる気が出ない時ってどうしていますか?

 

私の場合は、自分が落ち込んでいる間に、うまい人たちがもっと上手になっていっているかもしれないって考えると、いてもたってもいられなくなるんですよ(笑)

 

向上心がやる気の源なのですね!
それでは最後になりますが、「やる気が出ない」「自信がない」といった悩みを抱えている読者のみなさんに向けて、夢に向かって頑張るためのアドバイスをお願いします。

 

周りの反応がなくて落ち込むことってあると思います。
もし、他の人と比べて落ち込んでしまうのであれば、そこは遮断してみると良いですよ。自分自身に目を向けて、自分が昨日からどれだけ成長したかなというところにフォーカスできれば、物事はうまくいくんじゃないかなって思いますね。

 

ありがとうございました!
これからの神田澪さんの活躍を期待しています。

 

 
  

 
  

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この記事を書いた人

勝部 晃多

やる気ラボの娯楽記事担当。趣味は、プロ野球観戦(広島)・競馬(芦毛)・温泉(アルカリ性泉)・読書(古い小説)等と幅広いが、爺臭いといわれるのを気にしているとかいないとか。性格は柴犬のように「頑固」&「愚直」で、やる気ラボの成績向上のためには火水もいとわない男、と自称している。

 

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