やる気レポート

【相談】人にイライラしてしまう私。|【第8回】心理学者に聞く、人間関係のお悩み相談室

2019.11.20

家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで時として抱え込むモヤモヤとしたストレス。それは私たちのモチベーションを大きくゆさぶります――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う連載です。


今回のゲストは、職場でも家庭でも常に人にイライラしてしまうというお悩みを抱える女性スタッフが登場します。



 

サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心 理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。
セ ブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。

 

ヒツジさん
今回の相談者。いつも明るく前向きなワーキングマザー。お子さんにはとっても優しいお母さんだが、仕事では気持ちいいくらいにズバっと物事を語る姿は男前なところも(笑)。

 

こぶた
やる気ラボスタッフ。向上心なのかお願いされたことを断れないのか、 毎日、馬車馬ならぬ馬車豚となって天から降ってくる様々な業務をこなしている。きっともう年末が近いということさえ気づいてないのかもしれない。(わんこ談)

 

わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。11月にしてインフルエンザを発症。いらぬところで流行の最先端に敏感…。

 
 

誰に対してもイライラしてしまう原因

 

今日はイライラしてしまう感情を相手にぶつけてしまうことに悩んでいる女性からのお悩みです。

 

イライラすると感情的になりやすいですよねぇ。(遠い目)

 

こぶたはイライラしている時は、毒吐くよね。ひとりごとのように・・・。

 

え?そうですか?ボクは心穏やかなこぶたですけど?

 

感情を出さずに毒を吐いている姿は、かえって怖いよ “(-“”-)”。

 

…(汗)そんなに毒吐いてましたか…。
と、ところで、相談者のヒツジさんは、どんな時にイライラしてしまうんですか?

 

私は仕事でもプライベートでもなんですけど、いろんな人にイラッとしてしまうことがよくあるんです。

 

そうですか?そんな風にみえないですけど。いろんな人というと?

 

もう誰ともです。仕事でいえば、上司とか同僚とかの仕事に対する姿勢だったり、プライベートでいえば主人や子どもの言動や行動にイライラしますね。
私自身が相手に過度に期待してしまっているせいなのか、こうあるべき論みたいなのが強すぎるせいなのか・・・。

 

なるほど。仕事では具体的にどんな時ですか?

 

私の部署はいろいろな部署と連携をとって業務を進めることが多くて。期日が決まっている業務だったり、手続きが必要だったりとやることが細かい仕事をしています。

 

いろんな部署との連携は、時間も結構かかりますしね。

 

はい。短い時間の中でこなさないといけないので、かなり忙しいです。私としては、上司に全体の進捗管理をしてほしいのですが、それも私がこなしている状態なのです。

 

それは大変ですね。

 

上司に対して求める期待が高いのでしょうか‥。やはり、上司には全体的に管理してほしいなぁと。毎日、そういう気持ちで仕事をしているせいで、イライラしてしまうんです。

 

ヒツジさんのお子さんは、まだ小さいですよね?

 

女の子が二人います。

 

それはにぎやかですね

 

ちょうど子どもたちはイヤイヤ期が強い時期なので、私の気持ちも彼女たちにうまく伝わらないし、彼女たちもうまく伝えられないので、仕事をして帰ると家でもかなりイライラしています。

 

言葉が理解できない年頃は一番大変ですね。

 

そうなんです。女3人で「ギャー」となっちゃうことも多くて。
主人は一応サポートはしてくれるのですが、主人に対しても「もう少しこうしてほしいな」という気持ちがうまく伝わらず、そこでもイライラと…。

 

ちょっと息を抜くところがないですね。そうすると。

 

はい。私がいろいろ考えすぎて、期待しすぎているせいかもしれないのですが、家にいても会社にいても、なんとなくピリピリすることが多いなと思います。

 

ヒツジさんは完璧にやろうと思う気持ちが強い方でしょうね。家事も育児も仕事も、自分の理想があって、それに向かって完璧にやりたいと思ってしまう

 

それができないことで自分が落ち着かなくなり、あれもこれもダメというネガティブな思考に陥るのでしょう。そういう気持ちがフラストレーションとなり、「怒り」に変わるのでしょう。

 

そうかもしれません・・。

 

フラストレーションやストレスがたまると、人は気持ちが沈んでしまって病気になることが多いのですが、ヒツジさんの場合は「怒り」を外に出すことで、うまくストレスを解消しているのでしょう。

 

「怒り」がストレスを発散しているということですね?

 

はい。フラストレーションを上手く外にだせると健康なんです。フラストレーション反応というのはいくつかありますが、自分が健康でいるために身体あるいは心が自然に出す行動なんです。あなたの場合は攻撃的になってしまうということですね。

 

人としては素直な反応なんですね(笑)

 

素直な反応です。周りは迷惑かもしれませんがね(笑)
でも、周りが迷惑といっても、それで仕事上の仲間も家庭もうまく動いているわけですから。逆に沈みこまれることになったほうが、周りは本当に困ることになると思いますよ。

 

なるほど。攻撃的になっても、それが相手にとって苦痛でなければいいんですね。

 

こぶたも静かに毒吐いてないで、たまには攻撃的なフラストレーションの解消をしてみたら?(笑)

 

ヨメに殺されます‥‥。

 

(笑)
上司という立場の方への攻撃ですが、「正義の攻撃」というのは一番やりやすいんです。特に頼り切っている人からダメ出しされると、たとえ上司だったとしても弱いところを突かれると強気に反論できないので。

 

そういえば、いつも上司に謝られます(笑)

 

攻撃する側も本当に強い相手には絶対攻撃しませんよね?自分の身の安全がありますから。

 

確かに(笑)

 

(確かに。攻撃できない。)

 

子どもやペットは「怒り」の緩和剤

 

ご家族の方に関していえば、お母さんはとても有利なんです。子どもは怒られても文句は言わないですからね。泣いたりはしますが、「お母さんが悪い」とは言わないですし。

 

まだ小さいから、言いませんね~。

 

子どもって不思議なもので、自分が悪いことをしているんじゃないかと自然におもってしまうんですね。それもあって、お母さんはどうしても子どもに感情をぶつけてしまいます。

 

そうですね・・・。子どもは怒ると「ごめんなさい」とすぐに謝ってきて、怒ったことを後悔してしまいます。

 
怒ってごめんね~

多くのお母さんは怒った後に後悔します。でも、子どもは受け入れるようになっているんです。これまで人間が生きてきた中で、子どもは親の怒りを受け入れるという性質をもっているんです。

子どもに怒りをぶつけることになっても、子どもは謝ってくれる。それですぐ仲直りもできる。子どもは根に持ちませんからね。お母さんが根に持ったら大変なことになりますけど(笑)

 

怒ってもすぐに「ごめんね」って言ってくれて、私自身も「ママもごめんね」っていう気持ちになって、愛おしくなって優しくなれます。

 

いいお母さんですよ。
お子さん以外にはペットですね。怒りの矛先となってもうまく解消してくれる。 ぺットを飼っている人のほうが、精神衛生上健康な人が多いという心理学の研究結果があります。

 

へー 。ペットですか。

 

ペットといっても、犬がいいですね。犬は全部背負ってくれますから。猫はスッとどこかへ行ってしまいます。可愛いですけどね。

 

怒られても、お腹出して「ごめんなさい」ってポーズして、可愛いって思うからすぐに仲直りできますね。

 

ストレスに関していえば、心理学に面白い実験があります。
ストレスがかかる仕事をするときに、隣にボーイフレンドがいる場合と犬がいる場合と、どっちが精神的に安定するかというと、犬の方だったという結果があるんです。

 

へぇ~。

 

犬は忠実で、どんなときにでもしっぽを振りながら来てくれますから。子どもや犬に助けてもらうのはいいことかもしれませんね。

 

実家には犬がいたのですが、今はいないんですよね。実家にいるときは犬が助けてくれていたのかもしれません(笑)

 

あとは、スポーツで体を疲れさせるというのもよくありますけど、お子さんも小さいですし、なかなか時間を取るのはむずかしいと思いますが。

 

確かに疲れると怒る気力もなくなりますね。

 

そうですね。うちは主人の帰宅が遅いので、家事や子どもの世話をやっていると疲れて果てていて、主人に怒る気持ちもなくなります。

 

それはご主人、助かりますね(笑)

 

でも、主人にイライラするのは、朝です(笑)
朝はまだ気力体力ともにありますから。

 

さぞかし朝はバトルが・・・(汗)。

 

エネルギーが出始めたころ、まだ主人は寝てますけど(笑)

 

ご主人、命拾いしてますねぇ。

 

あとはお笑いが好きだったら、やっぱり「笑う」というのが良いですね。
「笑い」というのは、二種類あります。いわゆるスマイル(Smile)の「笑い」と、大声を出す(Laugh)「笑い」です。大声で笑うほうが良いんです。

 

ワハハって?

 

そうです。ワハハって笑うのは、あれは一種の「攻撃」なんです。

 

笑うことが攻撃?

 

ダーウィンという人をご存知ですか?

ダーウィンは「種の起源」の後は、人間の表情の研究をしたんです。「笑い」も人間の進化の結果だと。英語だと「Laugh」と「Smile」というふうにはっきり分かれていて、「Laugh」のほうは攻撃的なのです。

笑っている時の顔の表情、歯をむき出して笑うみたいなのは噛みつく時と同じなんですよね。「Smile」のほうは服従的な行動が起源となっています。

 

声に出して笑ってストレス発散!カラオケなんかも良さそうですね。

 

そうですね。大きい声出して、元気の良い歌を歌うと、「Laugh」と似た表現方法なのです。声を出して笑ったり、声をだして歌ったりすることは、周りに害をあたえませんから(笑)

 

怒りをぶつけるよりかは、「笑い」のほうで発散できるなら良いですよね。

 

仕事場ではあまり大声で笑うことができませんが、イライラしているというのを上司には見せないほうが良いのでしょうか?「私イライラしています」みたいな。

 

いえ、それは見せたほうが良いです。なぜかというと、上司はあなたの感情に気がつきませんから。「自分の言うことに素直に動いてくれているんだな」「自分の言っていることは正しいんだな」と、上司というものは思うものなんです。

だから、ちょっと不満を口にするのは悪いことではないと私は思います。自分にとっても、ちゃんとイライラしているという気持ちを相手に示すことができるので、その方がいい仕事ができますね。

 

なるほど。自分の今の感情を理解してもらうというのも必要なことなんですね。

 

「無理してやってくれているんだな」というところを理解させないといけません。「上司だから従っていますよ」というところを見せたほうが良いと思います。

 

上手く見せながら、攻撃しすぎないように。ですね。今日はありがとうございました。

 
 

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相手にイライラしてしまうときの解消法

① 「怒り」はフラストレーションから自分を守るために必要。
② 声を出して笑う、歌を歌うことは「怒り」と同じ行動。

 お笑いTVを観たり、大声で歌うことで「怒り」を逃がそう。
③ 子どもやペット(犬)に、時には助けてもらおう!

 
 

【第9回】「人間関係の心理学」は、ネガティブ思考の彼女に対して、どう接したらいいのかと悩む男性ゲストが登場します。お楽しみに。


 

この記事を担当した人

わん子

やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機。

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