やる気レポート

【モチベーションの保ち方】負け続けるチームのファンに、応援し続ける理由を聞いてみた

2019.10.22

【やる気を出したい社会人のみなさまへ】
負け続けるチームのファンはどうやってモチベーションを保っているの?チームを嫌いになったりしないの?
カープファンの聖地「ちんちくりん」で、往年のカープファン2人にインタビュー。その言葉には、やる気になれる秘訣が詰まっていました!

 
 

 
 

はじめに

 

2016・17・18年と、セリーグ3連覇の偉業を成し遂げた広島東洋カープ。ホームゲームの観客動員数はここ5年間で約50万人増と、今や押しも押されもせぬ人気球団に成長しました。

 

ここ5年間の観客数の増加(ファンの増加)の最大の要因は、やはりチームが「強い」からではないでしょうか。プロ野球のファンは、自分が応援しているチームが勝つことこそが一番の喜び。強いチームにファンが集まるのは、当然のことといえるでしょう。

 

しかし、そんなカープも、2000年代前後は黎明期に次ぐどん底の状態。長いながい暗黒時代を経験しました。

 

2000年代前半は阪神、後半は横浜の暗黒時代と時期がかぶっていたため、最下位こそ1度きりでしたが、1998年から15年連続のBクラス。1991年のV6を最後に、リーグ優勝から24年間も遠ざかっていたのです。

 

しかし、ここで注目すべきなのは、チームが弱いときでさえ100万人以上もの人々が球場でカープを応援していたということ。彼らはどうして、お金を払ってまで 「弱い」チームを応援する気になったのでしょうか。

 

負け続けるチームのファンは、どうやってモチベーションを保っていたのか。往年のカープファンたちにその理由を聞きました。

 

お話を聞く場所はカープファンが集うお好み焼き屋「ちんちくりん」。
大画面のモニターでカープを応援しながら、広島の食を楽しむことができるお店です。
 

インタビューにお答えいただくのは、広島で生まれ育ち、現在は都内在住のシゲさん(46)とタカさん(48)。毎年10試合以上、球場を問わず参戦する生粋のカープファンです。

 
シゲさん(左)とタカさん(右)
 

✔ファンになって当たり前の環境だった

 

お二人はいつからカープファンなのでしょうか ?

 

広島にいて物心ついた時からだから、4歳ぐらいだと思います。ファン暦は43~4年くらいですね。

 

実は、僕たちがカープのファンになり始めた時は強かったんだよ。弱い時代が長くて、その前に強い時代があったのを知ってる?

 

1975年に古葉竹識監督のもと初優勝するんですよね。

 

そう。その時はさすがに生まれていなかったけど。僕たちが応援するようになったのは、2回目の優勝(1979年)の頃からかな。だからまだ山本浩二、衣笠(祥雄)がバリバリだった頃だよ。物心がついた頃、野球を見始めてルールがわかるようになった幼稚園ぐらいの時というのは、まさにカープの黄金時代だったね。

だから広島に住んでいれば、カープファンになって当たり前。周りも当たり前に広島ファンだからね。当たり前のように市民球場に歩いて通ったね。

 
店内にはカープを支えた選手のサインがずらり
 

✔応援する理由は”カープ愛”

 

けれどその後にすぐ暗黒時代がやってきます。

 

弱かった時でも一途でしたね。弱かった時というか、いつの間にか本当に勝てなくなっていったという感じでしたけど。

 

弱くても応援し続ける理由はなんですか?

 

やっぱりカープ愛じゃないですか?1回好きになったものを、そう簡単に手放すことはできないですよ。

 

やっぱりずっと選手を見ているから、完全に切ることはできないね。

 

でも、カープって多分弱かった時でも見どころはあったんですよ、きっと。

山本浩二、衣笠が引退して、その後ずっと優勝できなかった時もずっと地道に自前で育てているじゃないですか。ちょうど僕の同年代に前田智徳がいるんですけど、彼もカープで育って優勝に貢献していますしね。

そこから20年以上の期間があったけど、その間もじわじわ江藤(智)が育ったり、その後新井(貴浩)が育ったりと、見どころはあるんですよね、ところどころにはやっぱり。

 

生え抜き選手が育ち、勝利に貢献する姿がいいんですよね 。

 

そうそう。生え抜き選手が育っていくという見どころがありますよね。

子育てとか、育児とか、子どもの成長が親にとってあれなのと一緒で、やっぱり自前で育てている選手がどんどん活躍して、毎年チームが成長して変わっていく姿というのが、仮に優勝できなくてもわくわくするんですよ。

 

シゲさんはどうでしょうか?

 

俺は根本的に広島で生まれているっていうことだよね。地元愛が強いんだよ。やっぱりあちこちいくような暮らしになっても、広島というのは自分の感覚の中で良いところだと思っているんだよね。自分が生まれたところだから。

広島で生まれたというのが大前提にあるから、無条件に広島とレッドが好きだというのがあって。野球やっているから、やっぱりプロ野球は絶対に広島って。

 

人が地元を思うのと同じように、カープを思っているということですね。

 

そういうことだね。

 

しかし、カープは良い選手がどんどんFAなどで放出されますよね? あれをどう思いますか?丸(佳浩)もそうだけど、新井もそうだし。

 

チームの経済力がないからしょうがない。

 

そこもやっぱり育児と同じじゃないですか。羽ばたいていく時は見送るしかないですよ。いつまでも家に居続けさせるダメ親になっちゃいけない。

 

カープファンの懐のでかさだよね。

 

黒田(博樹)も新井も帰ってきた。そこに、ストーリーがありますよね。

 
FAの人的保障でやってきた長野選手
 

✔何かやってくれるのではないかという期待

 

暗黒時代を通って、久しぶりに優勝した2016年はどうでしたか?

 

3年前の3連覇の1発目。9月10日ね。俺現地に行ってたんだよね。

 

あれ確かドームでしたよね?3年前のリーグ優勝の時。俺もいましたよ。本当に優勝できたんだって夢のような気分でした。みんな感極まって泣いてましたね。

それで、これは広島に行くしかないって思って、CSファイナルのカープとベイ(横浜DeNAベイスターズ)の5戦目を取って、飛行機も全部取って、行くぜって意気込んでいたら4戦目でカープの優勝が決まっちゃって、流れちゃったんですよ。どうするんだよってなったんだけど、結局行きましたね。雰囲気だけでも味わおうと思って。飛行機で行って、とりあえず聖地に行くぞと。昨日までやっていた決戦の地に行って、ユニフォーム買って飲みまくりましたね。

次の年とかは、 逆にもう余裕っしょみたいな感じでしたよね。余裕、余裕みたいな。

 

逆に2年目は優勝したのに、ベイスターズに負けて日本シリーズ出れなくて。あれ何だったんだよ。

 

ほんとにあれは思い出したくもない出来事ですね。

現在(8月現在)もカープは3位と苦しい戦いが続いていますが、その辺はどうでしょうか。

 

今年はほんとにあれだね、激しすぎる。

 

もうだめだと思っていたところで5月のあれ(球団月間最多記録の20勝)でしょ?すごいドキドキさせられますよね。絶対だめだなっていう展開でも、どこか期待しちゃうというか。

 

あれがまたドラマを生んでいるというか。いつも思うよね。もう駄目かなと思うんだけど、復活するっていう。絶対諦めないっていう。

 

そこがカープの魅力でもありますよね。雑草魂というか泥臭いというか。絶対あきらめないところに、みんなの共感を集めている気がします。

 

盛り上がりますよね。やっぱりファンを期待させるのがカープですね。何かやってくれるんじゃないかっていう期待を。巨人とかって勝って当たり前みたいな世界だけど、何かやってくれるんじゃないかっていう期待はカープ特有のものだと思います。

 

勝って当たり前の状態だと、ファンは逆に応援のしがいが感じられませんもんね。弱いときもあるけど、選手みんながあきらめない。自分たちの力だけで強く育っていく。そういうところに、カープの魅力が詰まっていると感じました。

 
我慢の先に優勝がある
 

まとめ

 

シゲさんとタカさんにお話をうかがっていると、カープと彼らの間には切っても切り離せない絆のようなものがあるのを感じました。彼らは、カープ「ファン」というよりも、カープの親・親友・家族と表現する方がよりしっくりとくるように思います。

 

単に「強いから応援する」、「弱いから応援しない」というのではなく、一緒に育ってきた仲間を応援するような気持ち。これこそが、「負け続けるチームのファンがモチベーションを保っている」方法なのでした。

 

そして、人を応援するこの気持ちが自身の生活の活力にもなっているのです。筆者もカープファンとして、「ますますがんばらなければいけないな」と、気持ちを新たにしました。

 
 
 
 
 
 

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この記事を書いた人

勝部 晃多

大学で日本史を専攻するやる気ラボ研究員。日本温泉地域学会会員。本や旅行、温泉巡りが好きで、大学を卒業するまでに全国温泉番付を自作するのが夢。無類のカープ好きとしても有名で、ファン暦13年目を迎える今季は、神宮球場・東京ドームなど首都圏を中心に参戦し5勝5敗1分。Twitter:@kotakatsube

 
 
 

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