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【小学生】【保護者】
SNSを中心に話題の「しゅくだいやる気ペン」。子どもの勉強へのやる気をどんどん後押ししてくれると評判です。その開発秘話を、コクヨ株式会社の開発マネージャーにうかがいました!

コクヨ株式会社
事業開発センター
中井 信彦 さん

いま、ものすごい話題です。「しゅくだいやる気ペン」。

想像を上回る反響でした。あらためてお客様に向き合いながら、さらにブラッシュアップしていかねばと感じております。

なぜ、宿題へのやる気に着目したのでしょう?

そもそも私たちは文房具のメーカーですから、次世代の子どもたちに「書くこと」の楽しさを知ってもらいたいという立場にあります。
昨今は電子化も進んでいますが、手書きのニーズはまだまだあると感じています。小学生くらいの子どもたちって、手書きでバリバリ学習しているんです。
ただ、宿題をするのが好きかというと、そうじゃない子が結構いる。

そうですね…。

例えば、「宿題をやりなさい」と親がガミガミ言っているシーンを思い浮かべてください。

うーん。
…かえって、やる気なくしちゃいそうですね。

そうですね。子どもが宿題をしない。だから親が怒る。親が怒ると子どもはもっとやらなくなる。宿題をしなければ、子どもは書くことも嫌いになってしまうかも……。そんな負のサイクルが見えてきたんです。それなら、子どもが宿題をしたくなる、書きたくなる、やる気が出るようにしようと。

そこで「しゅくだいやる気ペン」が生まれたんですね。


実は、企画初期では「見守りペン」だったんですよ。

えっ、そうなんですか?

ええ。共働きの家庭でも、外出先から子どもたちの勉強をチェックできる、いわば「管理ツールとしてのペン」というアイデアでした。

良さそうに思えます。

そうですね。ヒアリングやアンケート調査でも、保護者からは「おもしろそう」「外出先から見られると良い」といった意見が多く得られました。
ただ、購入に至るほどの強い欲求には刺さらなかったようなんです。

良さそうだけど、買うほどじゃない――と。

そうなんです。そのためいったん、全部白紙に戻して、ユーザーのニーズをとことんていねいに見てみることにしたんです。
お子さんのいる社員に協力してもらい、スマートフォンで子どもが勉強している姿を撮影してもらったり…。お子さんに向き合うお母さんにインタビューを重ねたり…。
プロジェクトメンバー全員で、家庭学習の様子を見直すことにしました。
そこで分かったんです。
保護者の方は、遠くから見守りたいのではなく、子どもの近くで子どもの応援をしたい。そういう欲求を持っているんだと。

遠くではなく、近くで。

お母さん達にインタビューすると「子どもに関わっていきたい」という想いがすごくあるんですよ。
母親と子どもは言わば一心同体です。なんとか前向きに勉強してもらいたいから、自分の時間を割いてでもできることは何でもしてあげたいし、できるだけ子どもと関わりたい。常に子どものことを考えているからこそ、時として感情的にもなる…。
この気持ちに寄り添うものを作るのなら、「遠くからの見守りではダメだ」となったんです。単なる学習ツールではなく、日々奮闘するお母さんたちをサポートするための製品を作りたい。

それが「しゅくだいやる気ペン」の原点なのですね。

はい。そこを原点に、考え直しました。
カギとなるのは親子の関わりです。子どもの「やってみよう」「やってよかった」「もっとやってみたい」といった気持ちって、やっぱり親とのコミュニケーションにあるんですよね。
勉強中に親が一言かけるとか、自分を見てくれているとか…。
そういう関わりを僕らが誘発できたら、それこそが子どものやる気を起こせるのではないかと考えました。
そこで「子どもがかきたくなる」「親がほめたくなる」のサイクルができるようなコンセプトのペンをつくっていくことになりました。


このペン、ギミックがスゴいですよね。
書けば書くほど、ペンにパワーがたまって、キラキラ光るようになっています。そして、専用スマートフォンアプリにペンを近づけると、ペンにたまったパワーがアプリに移って、いろいろなアイテムを手に入れられる…

これ、子どもはテンション上がりますよ。

このコンセプトは、はじめの頃からありました。子どもって光ると嬉しいんですよね。



iOSアプリと連動させて使用する。勉強してたまったパワーを注ぎ込んで育てる「やる気の木」や、スゴロク形式で進める「やる気の庭」がある
(出典:しゅくだいやる気ペン公式ウェブサイト)

子どもを飽きさせないためにどうするかが悩みどころでした。書いて点数溜めてバトルしたらいいんじゃないかとか、ランキングにしたらどうかとか。案はいろいろあったんですけど…。

最終的に、いまのアプリという形になったと。

はい。このスゴロク形式の「やる気の庭」、当初は紙にスタンプを押す形で考えていたんですよ。勉強したぶんだけスタンプを押すんです。

ふむふむ。

でも、子どもたちはやらないんですよね。

意外ですね。
スタンプとスゴロクでどう変わるんでしょう?

「自分のがんばりで、一歩一歩目標(ごほうび)に近づいている実感」が得られるんでしょうね。
内容としては同じですよ。
でも、スゴロクにしたら子どもが自分からやりだしたんです。「ちょっとペン貸して」とか言って、あっという間に宿題終わらせちゃったんです。
子どもが「宿題をもっとちょうだい」なんて言うんですよ。

子どもたちのそのような気持ちに寄り添って作られているのが、「しゅくだいやる気ペン」なんですね。

「しゅくだいやる気ペン」の使い方にアドバイスはありますか?

リリース時点から、保護者のみなさんに注意深くお伝えしているようにしていることがあります。

それは、何でしょうか。

これは「放っておいても子どもが勝手にやる気になるペンではない」ということです。


先ほどのお話にもあったように、あくまで「ほめたくなる」「かきたくなる」がポイントになるということですね。

子どもを管理・監視することが目的のツールではないんです。お母さんにはぜひ、頑張るお子さんをどんどん褒めていただきたいんです。
ペンを手に持って、机に向かっている姿…
テレビの前に行かずに、踏ん張っている姿…
そうした姿を、ほめてあげていただけたらと思います。

そこを意識するかどうかで、やる気ペンの効果ってすごく変わりそうです。

はい。ぜひ、ご活用いただけたらと願っています。

ありがとうございます!
しゅくだいやる気ペン
▶公式ウェブサイト
① 子どもが書きたくなる
② 親がほめたくなる
③ この習慣化サイクルがやる気を育てる
④ 親の関わりもポイント
⑤ たくさん手をかけて子どもを観察!
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この記事を編集した人
川崎 健輔

1987年生まれ。教育業界のWeb編集者です。2歳息子の育児、奮闘中。小学生時代はゲームボーイと受験勉強ばかりやっていました。最近はリモートワークが続いているので甚平を仕事着にして頑張っています。バームロールを与えられると鳴きます。
(Twitter ▶ @kwskknsk)