やる気レポート

【相談】仕事のお願いが断れない私。|【第7回】心理学者に聞く、人間関係のお悩み相談室

2019.10.15

家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで時として抱え込むモヤモヤとしたストレス。それは私たちのモチベーションを大きくゆさぶります――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う連載です。


今回のゲストは、忙しい時、仲間から仕事をお願いされても上手に断ることができず、自爆してしまう女性スタッフのお悩みです。



 

サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心 理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。 セ ブ島などで英会話学校のアド バイスをしたりといろいろ大 活躍のスゴい人。とても気さ くなおじさまです。

 

ハム子さん
今回の相談者。仕事柄、初対面の人と接する機会の多い仕事にもかかわらず、どんな人にもフレンドリーな対応しているハム子さん。見た目はとってもキュートなのに、意外とオトコ前なところも(笑)

 

こぶた
やる気ラボスタッフ。ラボ拡散のため、Twitterのフォロワー数を増やしたいと日々更新更新更新。更新することに気を取られて、上司から仕事のメールが来るも完全スルー。「SNS拡散は仕事上必要だからやってもらってもいいけど、私のメールにもちゃんと返信して」と上司から言わせるある意味スゴイ奴。

 

わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。先日健康診断が終わって結果待ち。問診票のお酒の量を聞かれる項目で虚偽申告するも良心が疼き、問診の際、ドクターに本当の量を伝えてしまうところがわん子の長所なのかもしれないとひそかに思う。

 
 

仕事のお願い事は断れない私…

 

ハム子さん、こんにちは。
いつも元気で明るくて、お悩みはなさそうなんですけど…

 

今日はよろしくお願いします。 そんなに大きなことではないのですが…。

職場の仲間に仕事のお願いをされると断れなくて。
やれなくは無いので、つい引き受けてしまうのですが、結果自分が業務過多になってしまって、いつも引き受けたことを後悔しています。

 

それは大変ですね。

 
頼まれ仕事が降ってくる~
 

僕も断れないんですよ…。下っ端なんで仕方ないかなと思ってます。

 

でも、こぶたは依頼される仕事の内容で、好きな仕事かそうでないか、顔つきでわかるよね(笑)

 

え!?ホントですか!?

 

うん(笑)
よくラボの大家さん(上司)と、「こぶたくん、あの仕事やりたくなさそうだね」って話してる(笑)

 

そ、そうっすか(汗)気を付けます…。
あ、ハム子さんは明るく引き受けちゃいそうですね。

 

そうなんです…。自分がいっぱいいっぱいでも、人を頼ることもしたくないので、私自身の業務を誰かにお願いすることもできず。自分で自分の首を絞めている状況です

 

それはやっかいな性格ですね。でも、お願いする側からしてみたら、あなたがどんなに仕事を抱えているかはわからないのです。

人間というのは、基本的に他人にはあまり興味がないので。

 

興味がない…。そう言われると否定できない。

 

ですから、自分がどれくらいの業務を抱えていて、次はこの業務が待っていると、普段から仲間に自分の仕事のことを話すことで相手は状況を把握することができます。

 

そういえば、仲間同士でそういう話はあまりしないですね。私自身、業務中に仕事以外の話をしないので。

 

仕事中は周りの人とあまり雑談とかはしないのですか?

 

仕事中は不必要な話をしようと思わないですね。仕事に集中したいというか…。

 

わかります。僕もです。

 

仕事をスムーズにストレスなくこなすためには、ある程度のムダ話は必要なんです。雑談と言いますか、仕事以外の適度なコミュニケーションはかえって仕事の効率を上げます。

 

そうなんですか?

 

言語学者の齋藤孝先生も本を出していますが、雑談は人間関係を構築する上で、大切な役割を持っています。

ですので、雑談をしている中で自分の業務がどのくらいあるのか?ということを周囲にそれとなく話してみてはどうでしょう?そうすると、相手も自然と自分の状況を話してくれるようになります。

 

仕事を早く終わらせるためには雑談とかしていてはいけないと思っていましたが、実は仕事の効率化のためには重要な要素だったんですね。

 

社会的スキルには仕事ができることはもちろん大切ですが、コミュニケーションも同じくらい大切なので、実践してみてくださいね。

 

はい。今日から少しずつ実践してみます。

 

僕も、コミュニケーション取ります!

 

ゲームの話とか、マジ勘弁してね。

 
 

思っていることをストレートに伝えてしまい過ぎる

 

仕事では断り切れない私ですが、仕事以外だと、自分の思っていることを直球で伝えてしまうことが多いんです。

そのせいか、相手から「わがままな人」と思われがちで…。もう少し我慢するというか、遠慮すべきなのかなぁと思っていまして。

 

たとえば、どんなことを?

 

たとえば、友達と旅行を計画した時、「どこに行きたい」とか「何を食べたい」とか、話がまとまらないことがダメなんです。

なんだかムダな時間を過ごしているようで…。結局、自分が主導権を握ってサクサク決めてしまうんです。

 
旅行の計画を立てるのは楽しいけど…
 

先ほどの仕事の話も含めて、ハム子さんは男性的な考え方の持ち主ですね。

 

そうかもしれません(笑)

 

女性はいろいろな話をする中で、共感を得て物事を進めていくのですが、男性は企画や計画をたてて進める事が得意で、好きなことなんですね。

先ほどの仕事の話でもいえる事ですが、物事を円滑に進めていくにはやはりコミュニケーションが必要なのです。

 

私、男性的かも…。

 

心理学に「PM理論」というのがあります。

「PM理論」とはリーダーシップについての理論なのですが、「P」はチームを引っ張っていく能力(「目的達成能力(Performance)」)で、「M」は集団をまとめる能力(「集団維持能力(Maintenance)」)のことを指します。

 
 

ふむふむ

 

このPM理論は、リーダーシップをとる上でも必要なことですが、同僚や友達同士の間柄でも同じようにいえます。

PとM、どちらもバランスがとれているほうがいいのですが、ハム子さんはどちらかというと「P」が強いですね。

人間関係に気を遣って周りの雰囲気を大切にするという意識を持てば、よりよい人間関係が築けますよ。

 

う~ん、たしかにそういうところは私に不足しているところかもしれません。

 

(やばい。どっちもない…)

 

私くらいの年齢になると、仕事だけという人生では、もったいない人生になってしまうと思いますよ。

私自身は人と話をすることが好きなのですが、男性にとって他愛もない会話というのは苦手なところですからね。

女性はその点、そういう長所を本能で持っているのでうらやましいですよ。

 

そうなんですね~。意識してみます。

 

意識してみま~す。

 
 

自由に生き過ぎてきた私。「遠慮」、「配慮」ということができない…

 

先生がおっしゃる通り、男性的な性格なので、遠慮とか配慮もあまりできてないなぁと思うことがあります。

 

というと?

 

たとえば飲み会をしたときに、サラダとか大皿で出てくるものあるじゃないですか。

全員の小皿に取り分けてあげたり、お酒を注いであげたりというのをしたくないんです。

 

なるほど

 
やばい。私の近くに取り分け料理がキターーー
 

「自分のことは自分でやればいいのに」と思います。自分がそう思うから相手にもしてほしいと思わないですし。

最近テレビドラマでもやっていましたけど、『空気を読む』っていうのでしょうか? 「それ、必要?」と疑問に思って。

 

昔のサラリーマンは絶対お酒を手酌しませんでしたね。そういう風潮が当たり前でしたから。

 

最近は、瓶ビールとかあまりないですしね。僕もあんまりやったことないです。取り分けとかは率先してやりますけど。下っ端なもんで。

 

あはは~。下っ端辛いですよね~。さすがに自分の目の前に大皿が置かれたら、「私がやらないと」って思うのでやりますけど。まぁ、上司がいればやりますね。

 

だんだん社会も変わってきて、自分でお酒を注いだり、男性が料理を分けたりするようになってきましたね。

ハム子さんは、そういう人を彼氏にしたらいいかもしれませんね(笑)

 

たしかに~。そういう人のほうがいいですね(笑)

 

近い将来、宴会の席でのお酌や取り分けもなくなっていきますよ。

 

時代が変わるのを待つしかないんですかね~

 

私は、盛り付けがめちゃくちゃヘタだから、「とんでもなく盛り付けヘタですよ~」なんて言って、上手に盛り付けてくれそうな人にパスしちゃいますね(笑)。

 
もはや何をどう取り分けたらよいのか‥‥
 

断るときには「理由」をつけるとよいですね。

 

断っているつもりではなかったのですが、取り分けるうちに最後の2,3人のお皿には、あきらかに乗っている料理の品数や量が激減してますから(笑)

 

なるほど~!「盛り付けヘタなんで~」って、それ、いいですね!

 

断る「理由」があると人間関係にギクシャクすることはないんです。頼んできた相手が納得できますから。

 

心理学に「コピー機の実験」というのがありますが、人に無理なお願いをするときでも、理由をつけると無理が通りやすいのです。

 

コピー機実験ですか?

 

心理学者のエレン・ランガーの「コピー機の実験」
 

はい。コピーの順番待ちをしている人たちの先頭で、コピーを取らせてほしいという自分の欲求を伝えるという実験です。

 

「コピーを取らせてください」というよりも「5枚なのですが、コピーをとらなければいけないので、先にコピーを取らせてください」と、あまり理由になっていない説明を加えただけで承諾率がアップしたという結果がでました。

 

へー。面白い実験ですね。

 

無理が通りやすいだけでなく、理由をつけると関係も悪くならないというのがその実験結果で出ています。心理用語でその心理現象を「カチッサー効果」といいます。

 

理由があるとないとでは、相手側の気持ちが違いますね。

 

仕事では、上司は部下に対して頼む理由は不要なのです。基本的に部下は上司の依頼を断れませんから。

でも、同僚や友達には断るときには理由が必要ですね。 「この仕事、今週中に終わらせないと…。来週だったら時間作れるから、それからでもよければ引き受けるよ」という風に言われるとどうですか?

 

手伝ってくれる気持ちも伝わるし、でも、忙しいこともわかるので頼むのを遠慮しようと思います。

 

断る側も心情的に負担が軽くなりますしね。

 

職場の人間関係もギクシャクしなさそう♪

 

(実践してみよ)

 

日本人は、職場に家族的な場所を求めます。

もちろん一人ひとりの仕事の生産性をあげることは大切ですが、家族的な人間関係を築くことで職場は雰囲気が良くなり、結果的に全体のパフォーマンスが発揮されて、効率的な仕事ができるようになりますよ。

 

これまで、雑談は仕事する時には不要だと思っていましたけど、仕事を抱え込まないためにも、実践してみようかなと思います!

あ、あと、断る理由もちゃんとつけることを意識してみます。

今日はありがとうございました。

 
仕事の合間のちょっとした雑談は悪いことじゃない
 

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人間関係を崩さずに、相手のお願いを断る方法

① 自分の業務量や繁忙期など、普段から相手にそれとなく伝えておく。
② 断りたいときは、できない理由をつける
③ 逆にお願いをしたいときも「理由」を付け加える

 
 

【第8回】「人間関係の心理学」は、仕事でも家庭でも、相手にすぐイライラして感情をぶつけてしまうことにお悩みの女性がゲストとして登場します。お楽しみに。


 

この記事を担当した人

わん子

やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機。

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