やる気レポート

【相談】職場の人間関係がリセットされたらなんだかうまくいかない…そんな時はどうしたらいいの?|【第6回】心理学者に聞く、人間関係のお悩み相談室

2019.10.1

家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで時として抱え込むモヤモヤとしたストレス。それは私たちのモチベーションを大きくゆさぶります――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤勇先生と語り合う連載です。
今回のゲストは、職場で異動となり新しい人間関係の中に放り込まれた社員のお悩みです。



 

サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教 授 齊藤 勇 先生) 「人間関係」を専門とする心 理学のエキスパート。 日本ビジネス心理学会長。
セ ブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。

 

パンダさん
今回の相談者。 専門的な部署から、未経験の部署に異動になり…。 社交的でサバサバとした性格のパンダさんですが、それでも、より良い人間関係を作りたい!とサイトウ先生にそのヒケツを伺いにきました。

 

こぶた
やる気ラボスタッフ。最近我が家に新しく20代のスタッフが二人入居し、先輩として色々と指導をする立場に。新人くんと隣に座っているとどっちも新人に見えるのはなぜだろう。(スタッフ談)

 

わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。暑さには強いが寒さに弱いため、犬ではあるが冬眠できないかと真剣に考えている。冬の暗い朝に、一人起きる寂しさを解消するヒケツを教えてほしい。

 
 

職場の異動は、仕事も人間関係もリセット

 

今回のお悩みは、職場で異動となったことで人間関係がリセットされて悩んでいるスタッフのご相談です。

 
 

仕事って結局人間関係が全て、なんてよく言われますよね。 僕も転職してきて新しい人間関係にやっと慣れたところです。

 

1年以上かかって、やっと手懐けたよ~。まだしつけが行き届いてなくてすみません。

 

ペットじゃないんですけど…。

 

異動って、 サラリーマンの宿命よね~。でも、新しい人間関係って、職場だけでなくても子どもの学校や習い事つながりでの人間関係が新しく築かれるってシーンはたくさんあるよね。

 

確かにそうですね。突然の環境変化って、どんな人にも訪れることで、今回のお悩み相談が何かヒントになるといいですね。

 
 

引継ぎのお悩み“あるある”には…これ!

 

最近部署の異動がありました。仕事内容も人間関係も一新して戸惑っています….

 

畑違いの部署に異動されたとのことですが?

 

そうですね。これまでの部署は専門的な確認等が多い仕事でしたが 、今度の部署はどちらかというとかなり臨機応変な対応が求められる部署です。

周囲の環境も、以前は男性が多かったですが、今は女性の多い部署に変わりました。

 

それは大変ですね。

 

私も以前の職場では、まわりは女性ばかりっていう部署にいたけど、結構大変だったなぁ。

 

異動したものの、誰に何を聞いたらよいのかわからないという状態なんです。

 

同じ部署の人には聞けないんですか?

 

上司は会議等が多くて席にいることはあまり無くて、他の方も外出が多く、全員が席にいる時間はそんなに多く無いんです。

 

引継ぎの書類的なものはないんですか?

 

それが…無くって(涙)

 
新しい環境で、新しい仕事…
 
 

どこの職場でもそういった話はよく耳にしますね。いきなり移るんだけれども、きちっとした引継ぎがなされないということですよね。

 

ルーティン業務だとマニュアル的なものが存在しますが、そうではない業務って変わるスピードも早いから口頭での引継ぎってパターンが多いのが現状ですよね。

 

ただ、逆に言うとがんじがらめで苦労されるということも聞きますよ。すべて指令がとんできて、自分の自由がきかない。それが嫌で後任の方が辞めてしまうケースもあるそうですね。

 

確かにそれも嫌だ… 。無理。

 

わん子さんなら、指示無視しそうですもんね(笑)

 

ちょうど中間が良いのでしょうけれど、なかなか適当な具合にはならない。 なので、自分の自由にできる!と受け止め方を変えてみてはいかがでしょうか。

 

なるほど~。それは新しい考え方ですね!

 
 

わからない時こそ、感謝の気持ちを表現するチャンス

 

今の部署での主はあなたです。他の方が外に出ていることも多いということなので、その間は自分で処理をしていけば良いのではないでしょうか。

 

自分で処理しちゃうと、後から「こうやればよかったのに…」なぁんて言われることもあるんですよね~。
だったら最初から教えてよ!って(笑)。

 

ありますね~。まぁ、私は結構ストレートに言ってしまうのですけど。 私の知り合いでも異動した人なんかに聞くと、ありがちなパターンみたいです。

 

ふふふ。そういう時に大切なのが「感謝」ですね。人って教えることは好きなんです。上に立つことができますから。「ありがとうございます。さすが、よくご存知ですね!」なんて言われたら、もう鼻高々ですよ。

 

感謝かぁ~

 

それは、同僚とかに対しても同じような感じですか?

 

もちろん!「ありがとう」と感謝されたら嬉しいものです。誰しも感謝されたいと思っているのですよ。

 

そうなんですね。ちなみに…「教えてください」と言って教えてくれるものでしょうか。

 

そうですね。もし、教えてもらった言い方にトゲがあったとしましょう。 でも、最初はあまり気にしないで「ありがとう」を言うことに専念してみてください。

 

トゲに反応しちゃいけないってことですね。

 

こぶたはトゲにも気づかないでしょ?
あえてトゲ出しても気づかないもん(笑)

 

トゲを気にせず、感謝の気持ちから入ることをいつも大事にすればいいんですね。

 
トゲトゲに注意!
 

実は、 相手も最初は警戒しているんですよ

でもね、「ありがとうございました」とか感謝されると、「あ、この人は大丈夫そうだな」って相手の緊張状態がとけてくるものなのですよ。

 

なるほど。

 

仮にパンダさんが正しいことを言ったとしても、最初から対立関係でいってしまうと相手は「生意気!来たばっかりなのに!!」ってなっちゃいますからね。

 

あっ!そういえば「請求書出してください」とかバッサリ言っちゃったなぁ。

 

相手の反応どうでした?

 

私自身、その時の相手の反応はあまり気にしてませんでした…(反省)

 

パンダさんの性格なら大丈夫でしょう。

 

(うなずく)

 
 

気付いたら部下は年上!そんなときは?

 
年上の部下って・・・
 

最近は年下の上司、男性の部下に女性の上司というケースも増えてきましたよね。

これまでからしたら逆転現象みたいな場合に適切な接し方というのはありますか?

 

人間って怖いもので、権力を持つほど部下は出来が悪いと思っちゃうんです。これ、心理学の実験でも実証されていてね。

 

(深くうなずく)

 

なので、自分もそうなってしまうということを意識すること。

年下でも女性でも部下からしたら上司だということは、もう充分わかっているんです。

だから、あえてわざわざ部長風をふかすなんてことしなくてOKですよ。

 

気をつけよ。
部下いないけど。

 

そして、部下の能力を認めることこそが重要ですね。
できて当たり前!になりがちですが、「よくやってくれたね」と感謝を示せるかどうか。そこを変えられる人が部下からも好かれる人です。

 

がんばろ。
部下いないけど。

 

部下の能力を認めて感謝できることが重要って、上司にはぜひ思ってほしいですね。上司から「ありがとう」って言われたら嬉しいですから。

 

ですよね。でもそれがなかなか言えない。「ありがとう」って言った途端に自分ができないことを認めて、下になってしまうような感じがするのでなかなか難しいんです。

特に男性にとっては難しいようですね。

 

確かにー!!年上の男性上司って褒めないですよね。

 

それは、年を取った男性の心のバリアとでも言うのでしょうかね。

上下関係が優先で好かれなくても良いと思ってしまうんですよ。本当は尊敬されたいから感謝すればよいのに、感謝すると尊敬されないと思ってしまうんです。

相手の自尊心を傷つけてしまうことが最もNGです。

 

そうなんですね。私はすぐ「ありがとう」って言っちゃいますけどね!

 

あなたが早く上司になってください(笑)

男性諸君!感謝は大げさに表現しよう
 
 

嫉妬は女性だけのものではない!?

 

女性同士だと、嫉妬に苦労することもありますよね。
円滑な人間関係を築くコツみたいなものってあるのでしょうか?

 

嫉妬って女性のものだけじゃないのです。

 

えっ?

 

実は男性の方が圧倒的に嫉妬の世界なんですよ。

 
 

意外ですね!

 

そんなこと意識したことなかったな…。

 

こぶたには無縁だから大丈夫よ

 

…。涙

 

男性の方がなぜそうかと言うと、DNA鑑定なんていうものがなかった時代には、生まれてきた子どもが自分の子どもかどうかって男性にとっては確証がないんです。

 

女性とは違いますもんね。

 

そう、自分のお腹から出てきますからね。でも、男性は違う。
だからこそパートナーが他の男性にモテるのは嫌だ!といった嫉妬心が強くあるのです。

他人の子を育てることがないように 備わっている危機管理感覚のようなもの かもしれません。

 

顔が瓜二つなら疑いようもないですけど、出てくるまではわかりませんからね。

 

さらに、男性は攻撃的にもなりますから、仕事上でも戦う仲間はいるのですが、気を許せる友達となるとなかなか難しいですね。

あいつ俺より出世しやがって~~~
 

確かに父親は友達が少ないかも(笑) そして男性の方がドロドロしているとは!

 

そう。「女は嫉妬深い」なんて言うのは、自分の心を投影しているだけなんですよ。

 

男女差はさておき、新しい部署に異動になったらトゲトゲした物言いでマウンティングしてくる…みたいな相談を、友達から受けることもあるんですよ。

 
あ、先輩トゲトゲしてる…
 

誰でもね、自分のテリトリーに新しい人が入ってくると緊張するんですよ。元からいる人は、自分を上に見せようという気持ちが強いのです。

特に日本の組織は古くからの上下関係も残っていたりするので、 新人の場合は、下であることを意識して入っていかないと、 とにかく新しい人に厳しいことが多い。

 

自分のテリトリーを侵害される危険を、心理的に感じ取るんですね。その解決方法として「ありがとう」が有効ということですか。

 

そうそう。この人はトゲトゲ人間だ!とラベリングせずに接してみてください。だんだん関係が良好になってくれば、マウンティングやトゲはなくなってきますから。

人類の長い歴史の中で、身を守る術として「知らない人は敵」とインプットされているだけなので、誰しも持っていること…ということでいかがでしょうか。

 

ちなみに、トゲトゲ期はどのぐらいですか?

 

そうですね、千差万別ですが…。季節が変わるころまでには良くなるのではないでしょうか。

 

わからない時こそ、より良い人間関係を築くチャンスという逆転の発想にハッとさせられました。その頃まで頑張ってみます!

ありがとうございました。

 

▶シリーズの一覧はこちら

 

新しい環境でより良い人間関係を築くには

① 新しい環境の先住人は、自分以上に警戒心を持っていると思うべし。
教えてもらえることに感謝の心をもつ
③ 警戒心を持つ先住人のトゲは「ありがとう」の連発で取れる
④ 上司は偉ぶることで人間関係を悪くする。率先して感謝を述べよ。

【第7回】「人間関係の心理学」は、忙しい時、仕事のお願いをしてくる仲間にうまく断ることができないというお悩みをもつ女性がゲストとして登場します。お楽しみに。


 

この記事を担当した人

わん子

やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機。

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