やる気レポート

【相談】職場で、イジられキャラから脱出できなくてやる気失せるんです|【第1回】心理学者に聞く、人間関係のお悩み相談室

2019.07.30

家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。なかには、かなりのストレスも。それは時として、私たちのやる気をクラッシュする元凶にもなります――。
 
さまざまなゲストが持ち込むちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して“人間関係の心理学者”の齋藤 勇先生と語り合う連載です。
 
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サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教授 齊藤 勇 先生)
「人間関係」を専門とする心理学のエキスパート。
日本ビジネス心理学会長。 セブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。

 

こぶた
今回の相談者。30代前半の男性会社員。ある日突然、何者かに捕獲されて相談室に連行される。いつもそこそこまじめに働いているが職場でいちばん若手なせいか、下っ端根性が抜けない。趣味はラーメン二郎の行列に並ぶこと。

 

わん子
やる気ラボ研究員。年齢不詳の女性会社員。高校生の娘がいてちょくちょくやる気に悩まされているワーキングマザー。自分こそラボ唯一の良心だと主張してやまない。趣味は豚の調理と出荷。

 
 
 

もうこれは才能ではないだろうか

 

聞いてくださいよサイトウ先生!! 僕、職場や家庭・友人関係で「イジられ系」のキャラになることが多い気がするんですよ!! 自分としては真面目にやっているつもりなんですが…

 

いやキミ、そりゃイジられるでしょ。

 

どこがですか! どこが!

 

そこが(こぶたの足元を指さす)

わん子:こっそり写真撮っちゃった(笑)

……。

……。(無言でくつしたをもとに戻す

 

あたらしいビジネススタイルだね( ´∀` )

 

なんで誰も言ってくれないんスか!! 朝、ちょっと寝坊して慌てて支度したんです!! すいませんでした!!

※編集部註 このこぶた、仕込みでもウケ狙いでも何でもなくて取材当日、本当にやらかしてきやがった。取材陣一同「そういうとこだぞ」と思ったのは言うまでもない。

 

いや、おもしろくて。朝礼でわりとみんな気づいてたんだけど、あれってワザとやってるのかな~、それとも天然なのかな~って。いやー、持ってるね-、ほんとにねー(笑)

 

…先生、こんな感じなんです…。気をつけてるつもりなんですけど、ついどこかで何かが抜けちゃうというか…
やる気なくすんですよね。
いくらがんばってもどこかでミスって結局いつもイジられる、というの。

 

なかなか得がたいキャラですね!でも、それが嫌。では「なりたい自分」というのはどんなキャラクターですか?

 

――え。なりたい自分ですか…?(汗)

うーん…。なりたくない自分というのはいるのですが…。なりたい自分というのはちょっとイメージがつかないですね…。

 

イジられないって、実はあまり人気が…

 

「イジられキャラ」の反対にあるのは、「大器」なのかなと思います。
でもですね、先日とある雑誌の取材を受けてお話したのですが、今「大器」って人気がないのですよ。

 

え?

 

わかりやすい例で言うと、俳優の高橋英樹さんですね。『桃太郎侍』を始め、ドンと構えていていざとなったらバッサリ切って裁く大物、大器というスタイルが受けて時代劇俳優としての地位を確立されてきました。

 
こぶた:侍とか超カッコよさそう~
観たことないけど
 

しかし、ある時からそういったスタイルだけでは受け入れられなくなってしまった。今やバラエティでもご活躍をされて、少し砕けた高橋さんの方がより人気がありますね。時代により求められている男の姿が違ってきているのですよ。

 

大器になりたいとまでは言わないのですが、なんというか、無難な。毒にも薬にもならないような。そんな存在になりたい私はなりたいと思うことが――

 

そんな人はいないですよね(微笑みながらバッサリ!)

 

え、あ、はい???

 

そんな空気のような人は第一、魅力がないですよ。

 

え、あ、はい…。

 

あなたのそれは誰かが羨む“個性”かも…

 

そもそも、あなたは誰にイジられると感じていますか?上司の方ですか?

 

上司はそこまでではないのですが…女性陣でしょうか。

 

そうですか。ということは女性陣に人気があることですよね。大器の方ってなかなか女性陣と気軽に遊べなかったりするので大変なのです。今男性でモテるのは…イケメン(笑)

イケメンは置いておくとして、「楽しい人・面白い人」が人気です。芸人さんの人気って上がっていますよね。

昔はおしゃべりな男性というのは「軽くてどうしようもない」なんて言われて人気がありませんでしたが、さんまさんあたりからでしょうか?徐々に面白いことを言う人の方が好かれるようになってきたのです。

 
すべってもいいじゃない
にんげんだもの
 

やっぱり物事メリット・デメリットがあるので、イジられキャラの人は、いじられて少し嫌な思いをされている一方で、女性と楽しく話せるという一面もあります。

あなたのケースですと、リスペクトはともかく、嫌われてはいないのです。むしろ親しみを持たれている。

嫌われない、親しみを持たれているということが職場では一番大事ですね。嫌われてしまうともう後がないので、そういった意味では今の職場の仲間とはうまくいっているのですよ。その点に気づいたほうがいいですね。

 

“ぬけている人”の方が好かれるという現実

 

こんな心理学の実験があります。

ある2つのテープを聞いて、その内容からその人に対する印象を評価するのです。

どちらもとても優秀な学生の話で、違いは最後にコーヒーをこぼしてしまうシーンの有無だけ。どちらが好意を持たれたと思いますか?実は、コーヒーをこぼした学生の方が魅力的だという回答が多かったのです。

 
たぶんこんな実験です(想像)
 

ふむふむ。

 

いわゆる人間味のあるところ、失敗がある人って周囲は安心するのですね。

笑いを取ろうとして、あえて面白い行動を起こす人もいるくらいです。あなたのように自然に周りの人が楽しくなるようなキャラを持っているというのは素晴らしいことだと思います。

なかなかわざとコーヒーをこぼせって言っても難しいですよね(笑)

 

それでもやっぱりイヤだったら

 

正直、よく考えると、あまり深刻に考えることもない気がしてきました…。でも、もしもう本当にイヤでイヤで仕方がなくなったら。どうしたらいいでしょう?

 

肝を据えて関係性を壊すしかないですね。でも、これは難しい。周囲の人間関係を変えなければならないのですから。

実際、どうしてもイヤなら、「逃げ出す」のがいちばん現実的なのではないでしょうか。

学校などは、いじめられっ子をよそに動かすことです。それは、けしからんなんていう意見もありますが…いじめる人には自覚がないので難しいのです。

でも、職場ではそうもいきませんよね。

 

場所を変えず、既存の人間関係の中で関係性を変えるのは難しいということですね。

 

そうですね。一度出来上がった関係性は周囲も変化を嫌がるのでなかなか難しいでしょう。それでも…と思う場合、相手に一度はっきり宣言することですね。相手は驚くでしょう。でも、相手にキチンと事情を話すことです。

直接口で言えない場合は、顔でハッキリ嫌な気持ちを表すことです。つまり、しかめっ面を意識的にすることですね。これで伝わります。

 

なるほど。

 

対人コミュニケーションには、言語的コミュニケーション(VC)と非言語コミュニケーション(NVC)が使えます。いずれも、かなりの勇気が必要ですが、やってみる価値はあります。
そして本当に嫌だと思うことに同調しない、周囲に合わせて笑わない等と自分の中でルールを決めたりして関係を変化させていくことですね。

 
ホントにダメなら逃げちゃおう
 

そこまでじゃないなら、割り切っていまの人間関係からどれだけメリットを引き出せるか考えた方が建設的――と。

 

おや!もうすでに弱気ですね。いずれにしろ、「リスペクトされたい」というお気持ちはあなたに限ったことじゃなく皆にあります。しかし、なかなか今の日本の会社でそれを求めるのは難しいですね。

あなたは上司をリスペクトしていますか?言葉で伝えていますか?

 

確かに、みんなリスペクトを口にはしませんね。逆に大体誰かしら何かしら言われていますね(苦笑)

 

そうなのです。日本人はみんな誉め上手じゃない。それを求めるのは難しい。だからせめて、自分から相手を褒めるようにしましょう。そうしたらそれをきっかけに相互リスペクトになり、互いに自分に自信を持てるようになりますよ。

 

なるほど…。ありがとうございました!

 
 
 

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この記事を担当した人

わん子

やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機。

 
 
 

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