仕事・働き方

ブルームの期待理論とは?【モチベーションの仕組みを理解する】

2021.05.12

今回は、仕事に関する様々な行動のモチベーションを1つの理論で説明したブルームの期待理論を特集します。人間は、何らかの期待感があればモチベーションがあがる――。これは体感的にもイメージしやすいかと思います。ただ、「期待」と一口にいっても、人によってさまざまな形があります。それを整理した理論です。基礎知識から実践的な内容や関連理論まで、期待理論を詳しく、そしてわかりやすく解説しましたのでぜひ最後までご覧くださいね。

 

 

 

      

ブルームの期待理論


    

ブルームの期待理論の概要

期待理論とは、①「成果への主観的な見込み(期待)」②「成果と報酬の関連度(用具性)」③「成果・報酬の魅力(誘意性)」によってモチベーションが変わるという理論で、カナダ人でモントリオール出身の心理学者ビクター・ブルームが提唱したモチベーション理論(動機づけ理論)の1つです。

この理論の要点は、以下の通りです。

(1)人が発揮する努力は、その努力の結果として見込まれる業績への期待または主観的確率評価の関数であり、(2)彼らにとっての結果の誘意性の関数である。いかなる結果であれ、その誘意性が高いと、それだけ人は努力して行動に移そうとする。結果の誘意性は次に、ほかの結果を得るための用具性と、そうしたほかの結果の誘意性の関数となる。

ゲイリー・レイサム『ワーク・モチベーション』(NTT出版)pp.89

 

 

 

期待理論の具体例

初めてモチベーション理論を学ぶ方には、なかなか難しい理論だと思います。わかりやすく具体例を挙げてみましょう。

「月に10台車を売ったら、ボーナス10万円」という決まりがあったとします。
①は自分が月に何台車を売れると思うか、つまり「成果への期待度」によってモチベーションが変わるということです。「努力すれば月に10台売れるだろう」と大きな成果を期待する人はモチベーションが上がりますが、「努力したところで月に5台が限界だ」と小さな成果しか期待できない人はモチベーションが上がらないと考えられています。

②は月に10台車を売れば10万円のボーナスがきちんともらえると思えているか、つまり「成果と報酬のつながりの強さ」によってモチベーションが変わるということです。「月に10台車を売っても、社長は約束を反故にするだろう」などと思われるとモチベーションは上がりにくいと考えられています。

③は10台車を売るという成果や10万円のボーナスという報酬を魅力的に思えているか、つまり「成果や報酬の価値」によってモチベーションが変わるということです。「車を10台売っても意味はない」「お金はそこまで欲しくない」などと思われるとモチベーションは上がりにくいと考えられています。

 

  

 

ポーターとローラーの期待理論

ブルームの期待理論は、仕事に関する様々な行動を幅広く、網羅的に説明することを試みたという点で評価されました。一方で、様々な要素のうち何が最も重要なのかわかりづらく、実際に現場で使いにくいという問題点が指摘されていました。

その問題に対応しようとしたのが、レイマン・ポーターとエドワード・ローラーの2人です。ポーターとローラーはブルームの期待理論をより詳細で実践的な理論に作り変えました。
2人が、最も重要だとしたのは以下の2つのポイントです。

1,報酬の価値
2,努力が報酬につながること

つまり、彼らは努力すれば魅力的な報酬を得ることができる(と従業員に思われる)システムづくりこそが最も重要だと主張したのです。

  

 

   

期待理論と目標設定理論


  

目標設定からのアプローチ

前章では、「月に10台車を売ったら、ボーナス10万円という決まりがあったら」という例え話をしました。目標設定理論はこのような「目標設定」からモチベーションにアプローチした理論で、一言でいうと「個々人に合ったレベルの困難かつ具体的な目標を立てるとモチベーションが上がる」という説です。

期待理論と併せて理解することで、より細かくモチベーションを分析・コントロールすることができるようになるでしょう。詳しくは以下の記事でご紹介していますので、ぜひご一読ください!

     

ロックの目標設定理論とは?【モチベーションを上げる目標設定術】

 

 

 

まとめ


 

ブルームの期待理論とは何か、おわかりいただけたでしょうか。その他のモチベーション理論についても、以下の記事でまとめて特集しています。ぜひご覧くださいね!

    

動機づけとは?理論を活かしてモチベーションを高める!

    

〈参考文献〉
大森 賢二『期待理論の基本構造』(富山大学紀 富大経済論集 第21巻 第2号 pp.113-133)
白樫 三四郎『V・H・ヴルームの履歴,業績,および思い出』(大阪経大論集 第61巻 第6号 pp.133-146)
下崎 千代子『職務動機づけにおける認知理論 の評価と位置づけ』(奈良産業大学 『産業と経済』 第4巻 第1・2号pp.131-143)
ゲイリー・レイサム『ワーク・モチベーション』(NTT出版)

 

     

 

 

 

この記事を書いた人

水田

やる気ラボライター。趣味は映画と音楽。実生活に役立つ記事を書いていきます!

     

                

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