やる気の出るモノとコト

【書評】“令和だし、万葉集を読んでみようかな”――そんな“やる気”に答える注目の解説本は?

2019.05.7

【書評】【保護者】
 2019年5月、平成にかわり令和時代が始まりました。
 新元号の出典は、日本最古の歌集「万葉集」。そのためでしょうか、4月1日の新元号発表を契機に、「万葉集を読んでみたい」という“やる気”が出てきたという人がにわかに増えているようです。
 各出版社は万葉集に関連する書籍の増刷・重版を決め、数多くの書店では万葉集のフェアが組まれ、品薄も相次いでいるといいます。
 万葉集を取り扱う書籍とひとくちにいっても、かなりの数があります。中でもとりわけ注目を集めた――多くの読者の“やる気”を刺激した本を、今回は紹介していきます。

 

「令和」はどこから?

 令和は、万葉集第5巻の「梅花の宴」を出典としています。天平2年(730年)の正月、太宰帥大伴旅人邸の梅園において宴が催され、その席で詠まれた歌をまとめたという箇所です。

 この序文に、次のような内容があります。

 

「……時に、初春の月にして、気淑く風ぐ。梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫らす。……もし翰苑にあらずは、何をもちてか情を攄べむ……」
(……時は良き新春正月、外気は快く風は和らいで、梅は佳人の鏡台の白粉のように白く咲き、蘭は香袋のように香っている。……もし、文筆によらなければ、何をもって心中を述べようか……)

参照:『万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』角川書店 編(角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 

 令月とは、よい、すばらしい、うるわしい月という意味です。

 
 

いま売れ筋の「万葉集本」は?

 Amazon.co.jpの売れ筋ランキングによると、5月7日14時時点で次の順序となっています。

1位:『万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』角川書店 編(角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 

2位:『万葉の秀歌』中西 進 著(ちくま学芸文庫)

 

3位:『古代史で楽しむ万葉集』中西 進 著(角川ソフィア文庫)

 

4位:『よみたい万葉集』村田 右富実 監修(西日本出版社)

 

5位:『中西進の万葉みらい塾 はじめての『万葉集』』中西 進 著(朝日新聞出版)

 
 

「令和」を分かりやすく理解できる一冊

 1位のベストセラー『万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』は、万葉集のうち押さえておきたい名歌140首をコンパクトな一冊にまとめたものです。

 ルビつきで読みやすい現代語訳に加え、歴史的な背景もふまえた寸評も加えられていますので、万葉集を通して当時の時代への理解を深めるのにもうってつけ。その「分かりやすさ」「手に取りやすさ」が多くの人の「読んでみよう」という気持ちを沸き立たせているようです。

 何より、「令和」にふれる「梅花の宴」が収録されているというのが大きなポイントだと考えられます。いまは、新元号発表よりわずか1カ月。令和についてふれている本は、まだあまり多くはないようです。

 令和をきっかけに万葉集にふれてみようという“やる気”をもとに動いている人にとっては、なにはともあれまず令和に関するポイントにふれたいというものでしょう。その意味でも、これはオススメの一冊と言えます。

 
 

「令和」考案者とされる人物の一冊

 先のランキングを見ると、上位5冊のうち3冊が国文学者の中西 進 氏によって書かれた本であることが分かります。同氏は万葉集研究の第一人者であり、新元号「令和」の発案者であるとも考えられています。(ただし、本人が明言しているわけではないようです)

 同氏は、小中学生を対象に万葉集の魅力を伝えていく出前授業「万葉みらい塾」を行うなど、万葉集の若い世代への普及にも熱意とやる気を発揮している人物として知られています。

 

 政府は「令和」の考案者は明らかにしないとしているが、関係者の話などから、万葉集が専門の国文学者で国際日本文化研究センター名誉教授の中西進氏とみられる。
参考:NHK NEWS WEB「新元号は「令和」 出典は「万葉集」」

 

 ランキング第2位の『万葉の秀歌』は、そんな中西氏が選び抜いた200首、その一つひとつについて深くていねいに解説しているのが特長です。

 読み込むごとに、中西氏の万葉集への理解の深さ、解釈の広がりには驚かされます。わずか31文字に凝縮された和歌一つひとつの意味を解きほぐして、広く深い考察を展開。全部で542ページと、この手の解説本としてはなかなか長い部類に入ってくるのですが、中だるみすることなく、とてもおもしろく読むことができます。まさに、万葉集研究への“やる気”あふれる中西氏ならではの本と言えるでしょう。

 中西氏の著書はこのほかにも数多くありますので、一冊手に取ってみて気に入れば、さらに別の書籍を手にとってみるのもオススメです。

 
 

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