やる気レポート

【教育】アクティブラーニング、すでに9割の高校で導入。3割が「学校全体で取り組んでいる」<「高校教育改革に関する調査2018」リクルート進学総研調べ>

2019.02.9

【今回のポイント】
2月7日、リクルート進学総研(本社東京・品川区)は「高校教育改革に関する調査2018」の結果を発表しました。同調査結果は「アクティブラーニング型授業」編、「高大接続改革」編、「専門職大学」編の3部構成です。そのうちの一つ、「アクティブラーニング」編によると、全国の高校のうちすでに約9割が、何らかの形で「アクティブラーニング型授業」を導入。かつ、約3割が「学校全体で組織的に取り組んでいる」ことが分かりました。

情報提供:PR TIMES



アクティブラーニングとは?

 生徒が受動的(パッシブ)に知識を受け入れる従来的な学習法とは異なり、書く・話す・発表するなどの活動によってより能動的(アクティブ)に知識を身につけられるようにする学びのスタイルです。具体的な形式には、体験学習、発見学習、課題解決型学習、グループワーク、グループディスカッションなどが挙げられます。学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」と呼称されています。

 

導入状況は「個人の取り組み」から「組織的対応」へ

 「主体的・対話的で深い学び」(アクティブラーニング)の視点による授業改善への取り組みを全国の全日制高校に聞いたところ、何らかの形でアクティブラーニング型授業を取り入れている高校は、2014年調査時点では約5割止まりでしたが、16年調査以降は約9割と大幅な上昇を遂げました。学校現場における、アクティブラーニングへの関心の急速な高まりを感じさせる結果です。
 18年調査は90.4%と前回調査(92.9%)にくらべて微減とはなっていますが、ここで注目したいのは数値の“質”の変化です。16年調査では「教員個人単位で取り組んでいる」という回答が51.1%と半数を占めていましたが、18年調査では40.7%に減少。一方、「学校全体で組織的に取り組んでいる」「学年や課程・学科・コース単位で取り組んでいる」「教科単位で取り組んでいる」といった組織的対応の比率が上昇しています。特に「学校全体で導入している」という回答の比率は、14年8.7%→18年29.3%と、4年間で3倍以上に増加しました。
 これらの結果から、アクティブラーニングの導入状況は「一部の教員による個人的な取り組み」から、「学校を挙げた組織的対応」に移り変わりつつあるという様相がうかがえます。

 

取り組みによる変化――意識の向上

 アクティブラーニング導入校に「授業改善に取り組んだことによる変化」をたずねたところ、生徒の変化のトップは「学びに向かう姿勢・意欲が向上した(49.1%)」、教員の変化のトップは「教員の授業観が変わった(41.5%)」となりました。
 ここで見逃せないのは、アクティブラーニングに「学校全体で組織的に取り組んでいる」学校では、「(生徒の)学びに向かう姿勢・意欲が向上した」「教員の授業観が変わった」と回答した比率が総合値よりも高くなっているということです。学校をあげてアクティブラーニングに取り組むことが、生徒・教員の意識改革という結果により強くつながっているのではないかと考えられます。

 

課題や改善点――スキルと時間の不足

 一方で、現状のアクティブラーニングはさまざまな課題も指摘されています。授業改善に取り組んで見えてきた課題や改善点を複数回答形式で聞くと、半数以上の教員が「教員の指導スキルの向上(58.6%)」と「教材開発や授業準備の時間確保(54.9%)」と回答しました
 また、進学校(大学・短大進学率70%以上)に絞って見ると、「受験指導とのバランス」と回答した比率も際だって高く、50%を超えていました。

 

【「高校教育改革に関する調査2018」リクルート進学総研調べ 調査概要】
■ 調査目的:全国の全日制高校で行われている教育改革(高大接続改革、新しい学習指導要綱、キャリア教育、進路指導、学校改革に関する取り組みなど)の実態を明らかにする
■ 調査期間:2018年10月5日(金)~2018年10月27日(土)投函締切※10月31日(水)到着分までを集計対象とした
■ 調査方法:郵送調査。校長宛に調査票を送付
■ 調査対象:全国の全日制高校4703校
■ 集計対象数:1203件(回収率25.6%)

 

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