司書から絵本屋の開業にチャレンジ!岡山県の「つづきの絵本屋」さん

最近、絵本好きな人が増えています。岡山県倉敷市にある「つづきの絵本屋」店主・都築照代さんもその一人。好きが高じて絵本屋さんを開業しました。自分の思い描いた夢から始めた都築さんのやる気に注目します!   JR倉敷駅から歩いて8分、閑静な住宅街の一角にある「つづきの絵本屋」は、木の香りと温かみが素敵な絵本専門店。長年図書館司書を務められてきた都築照代さんが一念発起して開業した本屋さんです。 厳選茶葉の紅茶でおもてなししてくれるお店は、親子でも大人1人で訪れてもゆったりと過ごすことができると人気。地元民だけでなく心地よさの噂を聞きつけて遠方から訪れる人もいるのだとか。 開業から5年目を迎え、今ではたくさんの人に愛されるこのお店。最初は経営の知識が何もないところから始めたそうです。都築さんが絵本屋を始め、続けていくうちに、やる気を高めていったエピソードをご紹介します!   都築照代(つづき・てるよ) 「つづきの絵本屋」店主。愛知県出身。夫の転勤に伴い全国各地を巡ったのち、文化的な風土にひかれて岡山県倉敷市に移住し、「つづきの絵本屋」をオープン。絵本専門士、JPIC読書アドバイザー、絵本講師、絵本セラピストの資格を活かし「読みきかせ講習会」や「絵本講座」等の講師としても活躍中。   つづきの絵本屋 住所: 〒710-0811岡山県 倉敷市川入694-7 営業時間: 月-火:10:00~18:00 金-日:10:00~18:00 定休日:水曜日・木曜日 電話番号: 086-476-0415FAX番号: 086-476-0415 HP: https://tsuzukinoehonya.com/ facebook: https://ja-jp.facebook.com/tsuzukinoehon/ 「もっとこうしたい」から走りだす   ――都築さんは図書館司書を長くされていたそうですが、どんなことがきっかけで絵本屋を始めようと思われたのでしょうか?   私は公共・大学・小学校の図書館で計15年間ほど、司書として働いたのですが、学校図書館に勤めていたとき、子どもたちの本を選ぶ力がだんだん弱まってきているんじゃないかと思ったんです。 今はインターネットでいくらでも調べ物ができる時代ですよね。その影響もあるのか、子どもたちはすぐ「先生、面白い本何かない?」と聞いてきました。 それで色々とヒアリングしながらその子に適した本を一緒に選ぶのですが、学校だとチャイムが鳴るとそこでおしまいになります。「もうちょっとこの子についてあげたかったな」と残念に思うことが多々あったんです。 そのうちもっと自由に絵本が紹介できたらいいなという気持ちが出てきて、自分のお店だったら時間の制限もないし、子どもだけでなく大人にもじっくりお話を聞きながら、絵本を手渡すことができると考えました。   ――じっくり向き合って届けたいという想いがきっかけだったのですね。でもそのときは「なんとなくやりたいな」というぼんやりとした夢だったと思います。どのようにして本気度が増していったのでしょうか?   そう、そこなんです!こういうのってそのとき置かれている状況に特に不満がないと、「いつかやりたいな」とどんどん先送りになっていってしまうんですよね。「いつか」は、いつまでも来ないんです。だから、私は「2016年4月15日にオープンする!」ってゴールを決めてしまったんです。学生のときに陸上をやっていたものだからゴールが決まっていないと走れなくて(笑)。 場所だってそのときはまだ全然決まっていなかったんですけど、とにかく日程だけ決めてしまいました。ちなみにこの日は主人の誕生日。応援してくれる主人に感謝の気持ちと、オープン日を忘れないから(笑)。   ――先に日程を決めて走る、素晴らしいですね!もともと経営の知識などはあったんですか?   いえいえ、商売なんてもう全くの素人です。ただ、色々な方にご相談させていただく中で気づかせてもらえたことがあって。 読書会で老舗書店をされている方と知り合ったのですが、「絵本屋やるっていうけど大丈夫?本屋って本当に大変なのよ」と真剣に心配していただいて、そのとき「ご両親は何していた人だったの?サラリーマンの家庭だったの?」と聞かれたんです。 それでハッとしたんですが、実家は自営業だったんです。父が木でものづくりをする職人で、お店もやっていました。そのことを話したら、「じゃあ大丈夫ね」って。「日によって収入が違う環境で育ってきているなら大丈夫よ!」って背中を押してもらえたんです。 ここで生まれ育った家庭環境が繋がるとは思ってもみなくて、でもそのおかげで「そんなにハードル高くないぞ」と感じることができました。実際何か役に立つというより、心の持ちようとしてプラスになったんです。   店内は木を魅せることを基調にデザイン。これも都築さんの父親が職人だったことが影響している。「木は経年変化によって味わいが出てくる」ことが魅力だという。   ――環境を見つめ直してみると自信に繋がったのですね。ただ一方で経営の勉強は大変だったと思います。心が折れることはありませんでしたか?   主人の転勤で引っ越すたびに、その転居先の自治体が主催する「創業塾」に通っていたんです。あらゆる都道府県、市区町村のコミュニティに顔を出しました。これは勉強のためでもありますが、自分の中で引き出しを増やそう、志を同じくする仲間が欲しいという思いもあったんです。 やっぱりやる気って長くはもたないものですよね。結局、間に仲間の励ましだったり、自分の中に新しい発見があったりして続くものだと思います。だから色々な場に参加して刺激を常に更新していました。 それから創業塾でよく「やりたいことが出てきたとき、そのことを何人にも伝えなさい」ということを耳にしていました。300人以上に伝えていくと「何かが変わる」っていうんですね。 私も実際、会う人会う人に「2016年4月15日に絵本屋をオープンするんです」と発信してきました。また、講座で話すなどしました。すると応援してくれる方がすごく増えたんですよ。「知り合いにこういう出版社の方がいるから会ってきたら」「こんな絵本作家さんのイベントがあるよ」など、情報がたくさん入ってくるようになりました。 そうしたことが「前に進んでいるんだな」と実感できて、モチベーションになっていました。 「やって良かったんだ」の瞬間   ――実際に開業されてからのことも聞きたいと思います。都築さんは元司書で、そのときも絵本を届ける仕事をしていたわけですが、改めて絵本屋をはじめて良かったと感じたことはありますか? … Continue reading 司書から絵本屋の開業にチャレンジ!岡山県の「つづきの絵本屋」さん