新納一哉さん、ゲーム開発にかける想い「やりたい気持ちに、ウソをつきたくない」
2020.07.29
子育て・教育
2019.04.23
【教育】【中学生】【高校生】【保護者】
ここぞという時、気分を切りかえて、やる気を出したい。集中したい。最大限の力を発揮したい――。
そんなとき、みなさんはどんな方法を使っていますか?
「甘いものを食べる」
「コーヒーを飲む」
「軽く運動をしてみる」
「好きな音楽を聴く」
いろいろな方法がありそうです。
仕事や勉強へ向かうにあたり、気持ちを切りかえる、気分を切りかえる、やる気スイッチを切りかえる――。そのために、ある種の決まった習慣(ルーティーン)を採り入れている人は少なくありません。
そうした“切りかえ”を、“香り”というアプローチで効率良く行うことができる商品があります。今回紹介するソニー株式会社(本社:東京都港区)開発のパーソナルアロマディフューザー、AROMASTIC™(アロマスティック)です。
開発を担当したプロダクトマネジャー・藤田さんにお話をうかがいます。
――気分を切り替える、スイッチを切り替えるということの効果について教えてください。
高いモチベーションをもって行動を起こすために、気分の切り替えは効果的だと言われています。みなさんは、何となく「やる気が出ない」「めんどうくさい」といった気持ちになったことはありませんか? そこでそうした雑念を取り払って、「やるぞ!」とやる気を起こした。そんな成功体験が、みなさんにも何度かあるのではないかと思います。
また、気分を切り替えてリラックス・リフレッシュするというのも、活力を得るには大切です。人間の脳には、デフォルト・モード・ネットワークという働きがあります。これは何を主張している考えかというと、「脳は“ぼんやりしている状態”――つまり、集中・没頭している時とは違って、特定の脳の領域に活性化されないニュートラルなアイドリング状態だと、新しい気づきやひらめきが生まれやすい」というものです。興奮状態をリセットして心身をリフレッシュすることは、そのあとの活力、つまりやる気につながります。
やる気スイッチを「オン」にするにしろ「オフ」にするにしろ、気分の切り替えは人間のモチベーションに少なからぬ影響を及ぼしているのです。
――なるほど。ただ、それは簡単なことではなさそうに思えます。
そうですね。なぜなら気分を切り替えるというのは、なかなかやろうと思ってできることではないからです。「いまから気分を切り替えよう! やる気になろう! …やる気にならないと!」と思っているとき、たいてい切り替わらないし、やる気になれないものですよね?
私たちは、自分の意思や思考といったもので「気分」を切り替えることは、簡単にはできません。気分の切り替えは、意識的にはやりづらいものなんです。もっと無意識に、五感に訴えかける、「思わずそうなってしまう」――そんな方法でやるのが効果的だと考えられています。
そのためのアプローチとして、私たちは“香り”に注目することにしました。
――なぜ、「香り」だと効率良く「気分を切り替える」ことができるのでしょうか?
人間の五感の中でも、嗅覚は喜怒哀楽や記憶など、とりわけ感情的かつ感覚的な脳の領域につながっていると言われています。それゆえに、本能をダイレクトに刺激するんです。
私たちは好きな香りを嗅いだとき、あれこれ考えたり、散漫になっていた意識で使われていた脳のリソースを解放して、今度はその心地よい“香りを感じる”という感覚・意識に、その限られた脳のリソースを集約します。これによって脳にいったん、リセットがかかるんです。それが、気分をリフレッシュし、「やるぞ!」と、気持ちよく新しいアクションを起こすきっかけになります。
そこに AROMASTIC を役立てられるのではないかと思っています。勉強や仕事を始める前に、気持ちの良い香りをかいで、気分をリセットする。この習慣をつけると、やる気を大きくできるのではないかと考えています。子どもが【勉強するモチベーション】も、大人の【はたらくモチベーション】も。
――アロマディフューザーというと、部屋の片隅に置かれるポッドや加湿器のようなものというイメージが一般的です。
そうですね。しかし、AROMASTICは片手で持ち歩けるコンパクトサイズであるということが特長です。鼻先でシュッとひと吹きするだけで、好きな香りを楽しむことができるようになっています。
――さまざまな香りを味わうことができるそうですね。
ベーシックなものやビジネスパーソン向けなど、いくつかのタイプの香料入りカートリッジを用意しています。これらを、好みに合わせて自由に使い分けてもらえるようになっています。
その中の一つに、勉強へのスイッチを切りかえるためにチューニングしたカートリッジがあります。“日々の学びを支える”ことをコンセプトとする「for Study」。その名の通り、勉強やスポーツトレーニングなどの学びを促進する、メイチャン、オレンジ、フォーカス、ローズマリー、ジンジャーの5つの香りを楽しめます。
さらに、2018年11月には、自分好みの香りをつくれるカスタムカートリッジを発売しました。好きな香り(精油)を二つの専用トレイに垂らすだけで、簡単に自分好みのカートリッジを作れるという仕組みです。これは多くのユーザーに、好評をもって迎えられています。
――特に、教室や自習室といった場所との相性が良さそうです。
そう思います。通常のアロマディフューザーやアロマポットなどは、教室じゅうに香りが飛び散ってしまうので、生徒たちに香りの好き嫌いがある以上、導入は困難です。その点、AROMASTICは独自の技術によって、香りが周囲に飛び散らないようになっています。
“自分にだけ”かつ“ボタンを押している間だけ”香らせることができるので、子どもたちそれぞれのタイミングで使用できます。
――実際に、効果検証では興味深い結果が出ました。
当社は2017年、教育系研究機関「やる気の科学研究所」との共同で、「for Study」の香りがもたらす学習効果について実験を行いました。その結果が翌年5月に発表されたのですが、予想以上の効果が見られました。
学習への集中力を発揮できていれば、自然と意欲が沸いてくるものです。その意味では、子どものやる気を引き出すメカニズムを考えるにあたっても、有意義な結果が得られたのではないかと思っています。
■検証内容
個別指導塾「スクールIE」に通う中学生を対象とする検証実験。AROMASTICのカートリッジ「for Study」の香りの中から、集中力に効果があるとされている「オレンジ」の香りを使用した。
1つの教室に集まった中学生を3つのグループに分け、①「AROMASTICでオレンジの香りを30秒嗅ぐ」②「AROMASTICで精製水の香りを30秒嗅ぐ」③「なにもしない」――の3つの行為を、それぞれのグループに対し、ランダムな順番で実施。その直後、100マス計算を3分間実行した。
その結果、オレンジの香りを嗅いだ後は、精製水を用いた場合やなにもしなかった場合に比べて、回答数が向上する(96.6問)ことが確認された。
――日々の学習に向き合う子どもたちや、保護者の方に、メッセージをお願いします。
現代の子どもたちに求められているのは、一つのことを突き詰めて考える経験だと思います。
私自身、例えば世界史の勉強をするときでも、ただ単に教科書をなぞるのではなくて「この人物はどうしてこんな行いをしたのだろう?」「この事件、一行でさらっと済まされているけれど、もっと重大な意味があったんじゃないか?」――などと、行間に潜むさまざまな疑問や気になることを追いかけていました。そうしたことをきっかけに、学習への興味・関心、つまりやる気は高まるのではないかと思います。
ただ、いつもいつも緊張状態にいて、「勉強! 勉強!」という気持ちでいると、なかなかゆとりをもってじっくり考えることはできません。
だからこそ、子どもたちにはオン・オフを切り替え、リラックスする時間もしっかり持ちながら、一つのことを突き詰めて考える経験をぜひ積んでいただきたいですね。もちろん、集中して机に向かうべきときは、しっかり集中して学習に取り組むのが大切です。
そのツールとしてAROMASTICを使っていただけると嬉しいですね。
【取材を終えて】
子どもが自分の学習意欲を高めるための環境――「心地良い香りがする環境」を、いつでも自分でつくれるようになる。AROMASTICは、やる気スイッチを入れるための環境を、脳にダイレクトにつながる“香り”によって作り出せるものです。
やる気スイッチを切りかえるきっかけづくりに、効果的に活用できる一品だと言えるのではないでしょうか。気になる方は、公式サイトもぜひチェックしてみてください。