やる気レポート

【相談】問題は夫や息子ではなくアナタ!(ご主人編)|【第2回】心理学者に聞く、人間関係のお悩み相談室

2019.08.6

家庭、学校、職場。私たちの暮らしはつねに人間関係の中にあります。そこで抱え込むモヤモヤとしたストレスは、時として私たちのやる気をクラッシュする元凶にもなります ――
さまざまなゲストが持ち込む人間関係のアレコレ。周りに知られるのはちょっと恥ずかしい悩みについて、動物に扮して”人間関係の心理学者”齊藤先生と語り合う連載です。
人間関係の心理学(第二回)のゲストは、いつも何事にも全力投球なワーキングマザー、りすさんです。

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サイトウ先生
(立正大学心理学部名誉教授 齊藤 勇 先生)
「人間関係」を専門とする心理学のエキスパート。
日本ビジネス心理学会長。 セブ島などで英会話学校のアドバイスをしたりといろいろ大活躍のスゴい人。とても気さくなおじさまです。

 

りすさん
今回の相談者。未就学児の二人のお子さまを持つ女性。どんなことにも全力投球する性格ゆえに、仕事も家事も育児も、旦那のお世話にもスイッチの切りどころがイマイチわからずにいる。元気過ぎてすぐにお腹が減る。

 
 

こぶた
やる気ラボスタッフ。サイトウ先生の相談者の最初の生贄として差し出されたが、先生に「モテキャラ」と言われたと勘違いしている様子。最近ますますわん子にいじられ、必死に抵抗するも、毎回玉砕。逆イジリの機会をうかがっているが、きっと無理。(こぶたの相談はVol.1をみてね)

 
 

わん子
やる気ラボスタッフ。年齢不詳の女性会社員。高校生の娘にちょくちょくやる気に悩まされているワーキングマザー。やる気ラボの同僚である、こぶたをいじるのが会社でのストレス発散方法。今夏劇場公開の「おっさんずラブ」を観ることにモチベーションをあげている。

 
 
 

思考の転換ができる? お悩み相談

 

第1回目の相談では、大変お世話になりました。なんか、僕の場合、イジられキャラもポジティブに考えたら、悪いことでも悩むことでもないのかなぁなんて思えるようになりました。
「イジられキャラはモテる」って言われて、女性陣への見方も変わりました!(キリッ)

 

こぶたがモテるっていってないでしょーが!(怒)

 

失笑…

 

「イケメンが少し抜けたほうがモテる」ってくだりだったでしょ?

 

……。すみません。

やっぱりイジられるってつらいかも…

まぁ、でもこぶたがいるから私は仕事しててもストレス発散できるし、ラボには必要な存在だよ。

 

やっぱりイジられキャラ脱出したい!!

 

たのしそうな職場ですね(笑)

 

ほんと、たのしそうでいいですねぇ。私もイジっていいですか?

 

どうぞ、どうぞ!遠慮なく!

 

え? いや、あの、あ、りすさん、今回のご相談は~?

 

あ、そうでした。今日は主人と息子のことでご相談したいなぁと思いまして。

 

ご主人と息子さんですか?それぞれ別のお悩み?

 

はい。

 

では、まずご主人へのお悩みをお聞かせください。

 
 

心の浮き沈みが激しい夫への悩み

 

年上の主人なんですけど、たまに心身ともに疲れる時期があったり、仕事が忙しくなると「辞めたい」と言い出す感じで。
ひどい時は私が「もう辞めたら?」と言ってしまうほど悪化してしまいます。

 

「もうダメだ…」と弱音を吐いてくるので、どう対応してあげれば主人の負担が軽くなり、前向きになってくれるのかなと。どのような言葉がけをしてあげれば良いのでしょうか?

 
(こぶた)精神的にストレスがたまると辛いですよね…
(わん子)こぶたはストレスAll Freeだから大丈夫でしょ?
(こぶた)人をノンアルビールみたいな呼び方やめてください!

ご主人の会社は上司が社長ということで、小規模の会社、ということですか?

 

はい。直属で社長の下で働いています。

 

それはなかなか大変なポジションですよね。世の中の社長というのは我儘な方が多いので、そのことがご主人の負担になっていても当然です。

もちろん、ご主人の会社の社長さんがそうかどうかはわかりませんが、基本的に社長というのは自分の思った通りにできるのが当然だと思っていますので。  

 

まさしくそうです。主人は何事にも全力投球で120%がんばってしまう性格なので、手の抜きどころがわからないんです。

自分では精一杯がんばっているつもりなので、そこを社長に認めてもらえないとストレスになってしまうようです。

 

りすさんも全力投球する人ですけど、ご主人もなんですねぇ。似た者同士ですね。

 

彼は理論的で冷静なんです。私と違って(笑)

 

うんうん。(深くうなずく)

 
 

愚痴や不満を聞いてくれる存在の必要性

 

“原因を何に求めるか”を心理学では「原因の帰属」といいます。人は基本、誰もが自己中心的です。会社で何か成功したというとき、部下からしてみれば「自分ががんばったからだ」と思いますし、社長からすれば「俺の指示が良かったからだ」「自分がいなければこの成功はない」と思うわけです。

 

お互いにそう思うわけですね。

 

部下の成功を素直に認めることができる社長は数少ないですし、とくに小さな会社の社長さんともなれば会社の経営のことで頭がいっぱいですから、嫌なことがあってもお客様にあたるわけにはいかず、ストレス発散はつい部下にぶつけてしまう…。

だからといって、部下が「それは違いますよ」と社長に言い返せない。『生殺与奪権(せいさつよだつけん)』(生かすも殺すも思いのままにできる権利)は社長にありますので。

 

『生殺与奪権(せいさつよだつけん)』? わん子さんには絶対与えてはいけない権利だ…。

 

あん?何か言った?

 

い、いえ。先生、続けてください!

 

(失笑)……このように問題の多くは上司にありますが、上司は上司で色々と大変なわけです。部下は上司に反論できず、昔であればストレス発散の矛先は自分の部下か、家に帰って奥さんにあたったり…。

まぁ、街の小料理屋の女将さんやママの存在というのも、そういうクッションの役割を果たしていたんですね。上司の愚痴や不満を女将に聞いてもらうことで、家に帰る頃には落ち着いて奥さんに接することができたわけです。

 
(こぶた)こんな店、行ってみたいな~

今ではキャバクラですかね。キャバクラがただ話をするだけで、どうしてあんなに高いお金を払うのかわかりますか?

 

キレイな女性がたくさんいるからですか?

 

まぁそれも間違いではありませんが、そこにいる女性たちは、認めてくれ、褒めてくれるからです。愚痴や不満を一生懸命に聞いてくれるだけではなく、褒めてもくれるわけですから。

 

なるほど~。そうですね。そうやって外で吐き出してくれると全然違いますね。

 
(こぶた)しかし、こういう店はどうやって入るんだ?
(わん子)一生、縁がないから心配するな(笑)

ご主人は、お酒は強いですか?  

 

それが弱いんです。昔はよく飲みに行っていたのですが、だんだんと行かなくなりましたね。

 

解決法のひとつは外に発散できる場所を見つけることです。ただし、お金が掛かりますからね。

 

友だちと飲みに行ったり、スポーツクラブとか発散できる場所に行ったりすればとは言っているんですが…。家に帰ってからもずっとパソコンでYouTubeを見るか検索やゲームをしています。

 

どんなことを検索しているのですか?

 

ネットでニュースが流れてくると、「これ何だろう?」という感じで気になるワードを検索しています。仕事がらみのことが多くて、家に帰って来ても仕事から離れられないんです。

 

それ絶対あやしい検索してるやつですよ!(わくわく)

 

きみと一緒にするな。

 
 

妻に内緒の“秘密”を持たせてあげる

 

ご主人にとって、パソコンやゲームは逃げ場にはなっていないんでしょうか?

 

「楽しい?」って聞くと「楽しくはない」と言っていました。私から見ていても楽しくなさそうなので「やめれば?」とは言うんですが、「そうだよね」と言いながら他にやることがないですし、何か新しいことを始める意欲もないですね。

 

ぼくは結構ゲームがストレス発散なんですけどね。

 

次の日仕事があるのに起きられないくらい没頭してるしねぇ、こぶた?

 

そ、その節はご迷惑おかけしました… ※実話

 

女性は忙しいのでゲームなどやっている暇なんてないですよね。仕事から帰ったら、育児に家事に、次々とやることがあって、悩んでいる暇なんて正直ないですから。

 

そうなんですよね。うちはまだ子どもが5歳と1歳ですから。仕事も復帰したから余計に。

 

であれば、それを半分、ご主人にやってもらってはどうですか?
上のお子さんとなら、一緒に遊んだりできますよね。

 

休日は子どもと一緒に遊んでストレス発散しているみたいですが、家計は私が管理していて、お小遣い制でギリギリの金額を渡しているので、遊ぶお金がないというのもあります…。

 
(わん子)子どもと一緒にいるときがストレス発散って、いいパパなんだろうなぁ
 

どうやらそこに問題がありそうですね。

 

な、なんと!?お小遣い制に問題が!?

 

いえ。お小遣い制が悪いわけではなく、ある程度自由に使えるよう金額を増やしてあげ、だからといって「何に使ったの?」とあれこれ詮索せず、ストレス発散費用としてちょっと秘密が持てるようにしてあげてはどうでしょう。

 

わかります。男って自分が楽しんでいるところを、女に秘密にしたいという欲求があるもんですよね(キラッ☆)

 

(イラッ☆)…この録音、奥さんに送りつける?

 

すいませんマジ勘弁してください。

 
(こぶた)「秘密」って、なんかいい響きですよね
(わん子)奥さ~ん、こぶたが何か内緒にしてますよ~
 

「何を」ではなく、「何のため」が大切

 

確かに先生がおっしゃるとおり、今まではずっと口出ししていました。主人はお金を使うことに自己判断してはいけないと思っているのか、ちょっとしたものでも購入する前に私に聞いてくることもよくあって。
私にしたら「もうあるんだから要らないでしょ?」というものばかりで…。

それに子どもに買ってくるのが好きみたいで、コンビニに寄るとすぐに食玩(おまけ付きのお菓子)を買ってくるんです。子どもが喜ぶので主人は楽しいみたいですが、私は「また買ってきたの?」という感じでつい口出ししていました。

 

ご主人は、お子さんに褒められたいんです。感謝されたいんです。
奥さんはご主人に感謝していますか?

 
(こぶた)そういえば父の日って、結構忘れられちゃいますよね…
(わん子)それは、こぶた家だけだぞっ☆

していません…(反省)。 感謝はしてはいるんですが、口に出しては言わないですねぇ… 。

 

言葉にしなければしていないのと同じですよ。

 

子どもに買ってきてあげた、ということに関しては感謝ですよね?

 

そうです。「あら、面白いの買ってきたのね」って感謝してる?

 

そんなこと、言っていないです…。「またこんなの買って来て…」「どうせすぐ遊ばなくなるでしょ」って言っちゃうんです…(反省)。

 

遊ばなくたっていいんですよ。100円か200円のもので、ご主人がいい気分になれるんですから。一瞬であっても、お子さんが喜べばいいんです。

 

男親は子どもと関わる時間も限られるので、お金で解決できるならいいですよね。

 

たとえくだらないものであっても、ご自分のお小遣いでお子さんのために買ってくるわけですから。何のために買ってきたかということが大切なのであって、何を買ってきたかは問題ではないんです。

 

私は買ってきた“モノ”しか見ていませんでした…。
主人は自分のアイスを買うときは、必ず私にもアイスを買って来てくれますし…。

 

いいご主人じゃないですか。

 

えぇぇ!? いいご主人じゃない!
うちのダンナなんて、うまい棒一本でさえ買ってこないわよ。

 

……うまい棒、買ってきましょうか?

 
 

男女の性質の違いを知る

 

りすさんのご家庭は、奥さんがしっかりしすぎているんですね。もちろん会社でしっかりするのはいいのですが、家庭の中ではあまりにもしっかりはダメなんです。

ご主人から色々と相談されるので、ついつい「私がしっかりしなきゃ」となるのだとは思いますが、もっとアバウトでいいんです。

 

私の性格って家のこととかで愚痴を言ったりできなくて…。

 

ご主人に言ってみたらどうですか?

 

でも、愚痴を言うと男性って真面目な答えが返ってきますよね。

 

男性と女性の違いで、男性は女性から相談されるとどうやって解決するかを考えてしまうんです。原始時代から「動物をどうやって獲るか」という作戦会議が好きで、男性は何かを聞かれたらアドバイスしなくちゃ、と思ってしまうわけです。

 

そのアドバイスが辛辣で、すごく的確なんだけど「おっしゃる通り」「わかってるんだけど」って思うわけです。私としては「わかるわかる」と同調してほしいだけなんですけど…。

 

わかる~!そこからケンカが始まるのよね~!

 

狩猟生活でいえば、集団で獲物を獲るのが仕事ですから、仲間と作戦会議をし、いざ狩猟!というときには話をするのはNG。しゃべれば動物は逃げてしまいますから。

 
(こぶた)狩猟時代の男性も、悩んでたのかなあ

一方で、女性は採集生活なので、川べりで女性同士でおしゃべりをしながら情報収集をするのが仕事。作戦会議や問題解決の必要などないんです。

唯一女性が欲しいのは「あなたの旦那、変なところにいたよ」といった情報です(笑)。女同士で色々な話をしながら、そこだけ敏感にキャッチするわけです。

 

お、恐ろしい……。

 
 

認めてもらうことで本当の喜びを得る

 

なので、相談はあまりしないです。

 

では、どんな相談をしたいですか?

 

子どもは私の言うことは聞かないけれど主人の言うことだと聞くので、「今日保育園でこんなことがあったからちょっと言って」と頼んだりします。そういうことについては主人も嫌だとは言わないので、「分かった。俺が言う」って。

 

素晴らしいじゃないですか。 基本的に女性はとりとめの話でもおしゃべりすることでストレスを解消できますが、男性は結論もなく、ただしゃべるだけ、というのが苦手なのです。余計なことですが、だから定年後の男性はつらいんです。

仕事がなくなったら作戦会議をする必要がなくなりますし、女性のように他愛のない話を延々とすることができないので孤立してしまうわけです。

 

確かに。私、ママ友たちと飲みに行って、「閉店です」って言われてもさらに1時間くらい話し込んでたわ。

 

それ、お店の人に迷惑ですから。

 

大丈夫!店長巻き込んで、店長の愚痴も聞いてあげたから。

 

女性はうらやましいですよね。

それが長生きできる基本ですよ。しあわせに暮らす秘訣は「何でも話せる人間関係があるかないか」なんです。アメリカの心理学者、マーティン・セリグマンのポジティブ心理学では、ポジティブになれる基本は「人との関係」だといわれています。もちろん、良い関係ですが…。

心理学に面白い「ボウリング実験の話」があります。

りすさん、ボウリングをしていて一番気持ちがいいのはどういうときですか?

 

ストライクをとったときですか?

 

確かにストライクが出ればうれしいのですよね。でも、それよりもっとうれしい時があります。それは、ストライクが出て、振り向くとみんなが拍手をしてくれていて、近づくとハイタッチをしてくれる。そのときのほうが、喜びが大きいということが心理学の実験でわかったんです。

 

へぇ~。

 
一緒に喜んであげることが大切
 

つまり、ストライクを取れば自分の達成欲求を満たすので気持ちはいいもの。しかし、 誰もそれを認めてくれなければ本当の喜びにはならないというわけです。

振り向いてみんなと一緒に喜べるというのが私たちの「しあわせ」の原点なのです。

 

なるほど…。主人は家庭で認めてもらえず満たされていなかったということですね。私に原因があったのかぁ…。先生のお話で、主人への接し方のコツがわかったような気がします。

 

そんなにすぐには変われませんが、徐々に、ですね。 

 


「問題は夫や息子ではなくアナタ!」(息子編)は、8月9日に掲載予定です。りすさんは息子さんにどんなお悩みがあるのか!?お楽しみに。

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この記事を担当した人

わん子

やる気ラボに古くからいる微魔女犬。やる気が失せると顔にでるためわかりやすい。my癒しは、滝と戦闘機。

 
 
 

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