やる気の出るモノとコト

【ビジネス】大学はあの手この手で、学生の「就活やる気」を高めている。プレエントリー開始まであと11日。

2019.02.18

【ビジネス】【大学生】
 3月1日の就職活動解禁日まで、目前に迫ってきました。ここでスタートダッシュを切れるかどうかは、就職活動の重要なポイントの一つとなっています。そこまでにどうモチベーションを高め、何を準備するのか? 学生をサポートする大学キャリアセンターでは、さまざまな環境を整えて学生のやる気を引き出しています。
(文・こぶた2号)

情報提供:大学プレスセンター



 

大学新卒、スタートダッシュへの「やる気」をどうする。

 3月1日、大学新卒者の就職活動が解禁される3月1日を迎えます。「リクナビ」や「マイナビ」などの大手就職情報サイトでは、「プレエントリー開始まであと11日」といったカウントダウンがはじまっています。来年に卒業をひかえた大学3年生の就職対策は、これまではあくまで「インターンシップ」や「業界研究」といった情報集めに留まっていましたが、ここからは本格的に就職を目指した活動となっていきます。

 そして、この3月1日当日にやはり就活生は殺到します。学生の人気を集める大手企業やブランド企業であるほど、早い時期に応募を出す傾向にあります。会社説明会への出席、エントリーシートの記入、筆記試験などを経て、6月に面接試験を解禁。そこで早々に内々定を出し切って、募集を終えてしまうケースも少なくありません。

 そのため就活生は、3月に就職活動のスタートダッシュをするために、しっかりと準備をすませて、就職活動へのモチベーションを高めるのが望ましい、ということになります。具体的には、さまざまな生き方・働き方を目にして「自分にはどんな仕事があっているか」「どんな働き方をしたいのか」をしっかりと考える、エントリーシートや面接にそなえて自分の強みや個性を把握する、行きたい会社の社風や仕事内容を知る、などが主なものとなるでしょう。

 これらは根気のいる作業です。それを、本業である学業と並行して行うのですから、学生はとても大変な立場にあります。こうした行動を起こすための「やる気」をどう引き出すべきか――。近年は大学も手をこまねいているばかりではなく、就職対策用のセクション「キャリアセンター」を中心に、多種多様な取り組みを行っています。

 

学生と企業とのコミュニケーションを促進。

 まず挙げられるのが、大学による懇談会、学内セミナー、企業説明会などのイベントです。これは企業の人事・採用担当者が大学を訪れ、参加学生に対して仕事内容や業界情報、若手社員によるリアルな声などを伝えていく形式が多くなっています。解禁時期に応じて、その場で書類選考・面接選考が実施されるようにもなります。

 例えば、近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)は2月14日・15日、3月に解禁される就職活動に先立って業界研究会を開催しています。この研究会は、学生が参加企業とランチをして交流するイベント「モグジョブ」も同時開催しているのが特徴です。学生は企業の採用担当者とランチを食べながら、ざっくばらんに仕事について話を聞くことで、企業の特徴や雰囲気を知るきっかけづくりができます。

 こうした学内イベントは、学生にとっては非常に「狙い目」です。なぜなら、企業は「その大学の学生を採用したい」と考えているからこそこうした学内イベントに参加するからです。そのような企業とコミュニケーションと重ねた方が、良いマッチングをする可能性は高くなるというものでしょう。

 高い就職実績を誇る良質なキャリアセンターの職員ほど、こうした機会を充実させるために、地道に企業訪問をして優良企業とのコネクションを作ったり、良質な求人を手に入れるなどの努力を重ねています。

 

少人数制の内定力強化講座

 ほかにも、実践的な就活講座を備えているケースがあります。

 武蔵大学(東京都練馬区)は3年生を対象とした就職支援プログラム「武蔵しごと塾」のを開催しています。昨年10月実施の第1弾では若手の卒業生を招いて行った「課題発見とネクストアクション」を開講。続いて1月実施の第2弾は、模擬面接などを通じてより実践的な個々の内定力を高める応用編のプログラムとなっています。

 内定を獲得した4年生が「就活サポーター」として各教室をサポートするほか、情報、印刷、広告、信託銀行、信金、クレジット・信販、生保、食品、輸送機器、電子機器、医療、商社、人材、コンサルなど多様な業種の卒業生が参加。卒業生を面接官とした”本番さながらの模擬面接”などを通じて、就職活動に向けた実践的な力を身につけること目指しています。

 特に学生からすると、模擬面接を行う機会はなかなか限られてしまうので、こうしたイベントは絶好の機会になっているようです。

 

落語家に学ぶ! ユニークな取り組みも。

 変わった取り組みとして、2月から東京理科大学神楽坂キャンパス(東京都新宿区)で行われている就活対策講座があります。

 講師をつとめるのは、テレビなどの多くのメディアでも活躍している月亭方正さん。全6回の講座において参加者は落語の基本的なスキルを学び、最終的に人前でパフォーマンスを行います。

 人に情報を伝えるためのテクニックや観客を味方につけるための力など、高度で複合的・総合的な話力をプロの落語家から伝授。プレゼン力やコミュニケーション力など、就活を乗り切るために必要な力を磨けるとのことです。

 

横並びの就職活動には疑問の声が。

 このようにキャリアセンターは多種多様な方法で、学生の就活への「やる気」を引き出そうと力を発揮しています。その取り組みは効果的なものが多く、職員の方々の熱意をうかがわせるものとなっています。ただ、こうした仕組みそのものを疑問視する声も近年は聞こえるようになってきました。なぜ、これほどまでに一斉横並びで就職戦線に挑まなければならないのでしょうか? なぜ、3月1日に「就活やる気」をマックスにしなければならないのでしょうか?

 日本企業の新卒採用は、4月一斉入社を基本とする「新卒一括採用」が主流です。この採用活動が学生の本文たる学業に支障をきたさないように、経団連では一定のルールを設けてきました。それが現在の「3年生3月エントリー開始、4年生6月面接開始」です。

 しかし、このルールがいささか迷走気味であることは否定できません。学生の事情を鑑みたものではあるのでしょうが、ここ数年でエントリー開始が「3年生10月」といまよりも半年ほど早かったり、「3年生12月」に移ったり、それから「3年生3月」になるなど矢継ぎ早に変遷を遂げ、そのたびに学生・大学・企業のいずれも変化への対応を迫られました。学生にしてみれば、一つ上の先輩のスケジュール観が参考にならないというのは、小さくない打撃になります。

 そこで、「そんなルールはいっそのことなくしてしまえ」「ゼロからつくりなおしてしまえ」といった声も聞こえるようになってきました。昨年10月、経団連が2021年以降の就職・採用活動のルールを定めないという発表を出したことは、記憶に新しいかと思います。今後、新しいルールは政府主導で定められるようになっていきます。また、いまだ主流とはならないまでも、一年かけて随時採用を行う「通年採用」に切替える企業の姿も見られるようになっています。

 とは言え、いま就職戦線に直面している2020年卒の就活生は、現状のルールに沿って就職活動を行っていくものとなります。限られた時間を有意義に活用できるよう、大学はあの手この手で就活生のやる気を引き出す環境を整備しています。一人でも多くの就活生が、自分のこれからの生き方や働き方を主体的に描き、悔いのない就職活動を行ってもらえるよう願ってやみません。

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