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2020.07.29
子育て・教育
2020.07.31
日本財団では、18歳の若者をターゲットにした意識調査を継続的に行っています。2020年5月26~28日に実施された第26回調査のテーマは「学校教育と9月入学」。そこで分かったのは、はじめて突き付けられたオンライン授業への戸惑いです。
(資料:日本財団「18歳意識調査」[第26回 学校教育と9月入学])
休校でもっとも困ったことのトップは「学業」で、37.4%。主な理由は「初のオンライン授業に戸惑った」「ネット環境が悪く授業が受けにくい」「家にいると、勉強時間が決まっていないので、サボってしまう」「勉強して質問したいことがあっても先生に訊くことができない」――といったものでした。
また、休校措置により教育格差を感じるかどうかという質問についても、「はい」が58.6%と過半数で、「いいえ」15.8%を大きく上回りました。
なぜそう感じるのか。若者たちは理由の一つに「オンライン授業の導入状況」を挙げています。「私立と都立ではオンラインの授業などで、勉強時間の差が出てしまう」「同じ公立高校でも、3月からオンライン授業が始まった学校や、5月になってやっと始まった学校がある」――といったものです。「オンラインでの課題配信が中心の学習となっており、自主的に学習できる生徒ととうでない生徒の差が生じている」という回答もありました。
再度休校が行われた場合、学習時間を確保するための対策として何が必要かを聞く質問では、トップが「オンライン授業の導入と整備」50.8%。第2位が「家庭での学習を考慮した授業設計」16.6%でした。この結果からは、本当に数多くの18歳の若者たちが、ステイホーム中にこうした環境を得られず苦心を強いられたと言えるのではないでしょうか。
スクールIEなどの個別指導塾を運営する教育系企業・やる気スイッチグループ(東京都中央区)が4月に公表した調査結果です。
同グループのスクールに通う2~18歳の生徒の保護者向けにアンケートを実施したところ、ステイホーム期間中の自宅学習について「悩みや不安」を感じた保護者が、実に8割にものぼりました。
具体的にどのような不安があったかというと、もっとも多かったのが「集中力が続かない・集中できない」というもの。以降「自ら進んでやらない・自発的にやらない」「勉強時間が少ない・勉強量が少ない」が続きました。
ステイホーム中はオンラインベースでの家庭学習が主となりましたが、相当の困難さがあったことは想像に難くありません。
保護者から寄せられたというコメントを見てみると「自宅学習では集中力が続かない」「学校から配られたプリントを自主的にやれるものではない」「学校のように長時間勉強させるのは困難」などといった声が多数あがっていました。
これについて、やる気スイッチグループの担当者(やる気の科学研究所所長・庭野匠)は次のようにコメントしています。
「自律的に学習に取り組むためには、計画設定~実行管理~振り返りの3つのプロセスが大事だと言われていますが、これら全てを初めから自分一人だけでこなすことは難しく学習計画の掲示、声かけなどのコーチング、一定の強制力など、何らかの外的な働きかけや環境作りが必要となってきます。多くの方が一斉休校中の自宅学習に悩みや不安を感じているという今回のアンケート結果は、教材を与えることと同じくらい、学習を続けられる環境を整備することが重要だと示しているのではないでしょうか」
(引用:やる気スイッチグループ『保護者の7割以上が子どもの運動不足を心配。自宅学習の悩みは「集中力が続かない」「自主的に勉強できない」「勉強時間が短くなる」の3つ』)
多くの保護者が、家庭学習におけるモチベーション維持の困難さを痛感した現在――緊急事態宣言が解除されたいま、教室に子どもを通わせる「オフライン学習」に再び注目が集まってきます。
そうは言ったものの、また日に日に感染者数が増え始めている状況です。
「いま外出させたら、もしかしたらコロナに罹ってしまうかも…」
保護者の方はもとより、子ども自身も心配になってしまうことが多いようです。
こうした状況の中、7月10日、気になるニュースが配信されました。
新型コロナ 子どもの感染率なぜ低い? 重症化もまれ 細胞の仕組みにカギ
(引用:日本経済新聞「新型コロナ 子どもの感染率なぜ低い? 重症化もまれ 細胞の仕組みにカギ」[2020/7/10付日本経済新聞 朝刊]。太字は筆者によるもの)
米疾病対策センター(CDC)によると、6月27日時点で人口10万人あたりの入院者数は40~49歳が98.6人だったのに対し、0~4歳が8.9人、5~17歳は4人だった。入院患者数は少ないということは、それだけ重症化もしにくいということだ。……(中略)……子どもが感染したり重症化したりしにくいことや、子ども同士での感染拡大が少ない理由から、学級閉鎖の効果については慎重な見方が出ている。日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会は6月、子どもの感染例が少なく重症化がまれなことを挙げて「学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しい」などとする提言をまとめた。
新型コロナに子どもは感染しにくいという報告は、これまでも厚生労働省をはじめさまざまな機関から出されていました。こちらの記事はそのアウトラインに加えて、ここまでで分かってきた裏づけやメカニズムをまとめたものです。
もちろん、まだまだマスクや手洗い・うがいなど、基本的な感染対策が欠かせないのは間違いありません。しかし、子どもの感染を防ぐための知見が蓄積されてきているいま、オンライン・オフラインの双方を活用しながら、子どもの学びを止めないライフスタイルを確立していくのも、やはり大切なことではないでしょうか。
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この記事を担当した人
やる気ラボ編集部
やる気の出し方や、誰かをその気にさせる方法について研究しています。 ネットとリアルのあちこちから情報を集めて発信。 「むずかしいことをおもしろく」がモットーです。 http://www.jibunryoku.org/