子育て・教育

「やる気がない子は、いない」子どものつまずきを解消し、やる気を引き出す放課後学習

2019.04.16

子どもたちにとって、勉強は学年が上がれば上がるほど、急激に難しくなっていくもの。「分からない」ことが増えていくにつれて、学習意欲――やる気がなくなってしまうのです。
大切なのは“分かる”という経験をさせ、学力をしっかりと身につけさせること。近年、「アクティブ・ラーニング」「主体的・対話的で深い学び」といった言葉が世間をにぎわせていますが、そうした力の土台になるのはあくまで基礎学力です。
東大和市立第五小学校(東京都東大和市)の校長を務める加藤 進 先生は、こうした力をつけ、子どもたちのやる気を引き出すための先進的な取り組みを行っています。同校における取り組みに加え、家庭でも実践できるポイントなどをうかがいました。
 
 

 
 

加藤 進 先生

東大和市立第五小学校 校長。2016年4月、着任。小中学生に対する豊富な指導経験をベースに、子どもたちの力を伸ばす教育を実践している。

 
 
 

やる気がもとからない子はいない


 

私の経験上、はじめからまったくやる気のない子どもは、ほとんどいません。

「勉強ができるようになりたい」

「テストで良い点を取りたい」

「●●ができるようになりたい」

「親や先生に褒められたい」

そういった気持ちは、どんな子どもも持っているものです。

ただ、「どうすればできるのか分からない」「分からなくなってしまった」という子どもたちには、これまで数多く出会ってきました。

そのままでは、せっかく持っているやる気も失われてしまいます。

私たち教員の役割は、ここにあると思っています。

「どうやればいいのかを示す」

「“分かる”という経験をさせる」

「学ぶことが楽しいと思えるようにする」。

本質的なポイントは今も昔も変わらないと思っています。

 
 
 

基礎学力あっての「主体性」「対話性」


 

昨今、子どもに自分の意見を発信させたり、自分で課題を設定させて取り組ませたりする形態の学びが注目されています。もちろん、これを否定するわけではありません。ただ、見逃してはならないのは、そうした話し合いの場で“やる気”を見せ、ハツラツと自分の意見を発信できるのは、きちんと基礎学力を身につけている子がほとんどだという事実です。

普段の授業についていけない子は、こうした場でも自信が持てず、教室の隅に行ってしまい、なかなか発言することができません。何を言えばいいのか分からず、やる気になりようがないのです。

結局、当世風の主体的・対話的な学びであっても、子どもたちには変わらず基礎の積み重ねが求められるのです。

むしろ、基礎学力をしっかりと教え込むというのは、これまで以上に大切になってきているように感じています。

 
教育の本質は、従来から変わらない
 
 
 

分かっていても基礎が身につかないワケ


 

では、子どもたちにどうやって「どうやればいいのかを示す」のか、「“分かる”という経験をさせる」のか――。多くの小学生、保護者の方々、そして先生方が、ここに悩みを抱えています。

低学年のうちは、勉強についていけない子どもはあまり出てきません。しかし中学年から徐々に追いつけない子どもが出始めて、高学年にもなると「いまどこでつまずいているのかも分からない」という児童の姿も見受けられます。そうなると、教員であっても簡単にはフォローできなくなってしまいます。

 
 
 

つまずきが“分かる”放課後学習


 
放課後学習に取り組む
 

この課題を解決するべく、本校ではここ数年、新しい取り組みに挑戦しています。「五小チャレンジスクール」という放課後学習です。5~6年生を対象としたもので、例年2学期から10回にわたり実施しています。

特徴は、民間の個別指導塾スクールIEとの連携プログラムであることです。

この学習塾は、実にキメ細かい学力診断テストを開発しています。これは、児童一人ひとりの“つまずき”をつぶさに把握できる、高い精度の学力診断を可能としています。しかも、一人ひとりの児童がどこにつまずきを抱えているかを踏まえて、個別のテキストとカリキュラムが生成されるようになっているのです。

現状の学校教育にはなかなか見受けられないものだと思います。

「五小チャレンジスクール」は、まずスクールIEから問題の提供を受け、学力診断テストを実施します。その結果をもとに児童ごとのテキストとカリキュラムを発行していただきます。そして、複数回にわたり生徒のつまずきを解消するための放課後学習を行います。

10回目(最終回)で再び学力診断テストを行ったところ、参加した児童の大半が成績アップという結果になりました。

今後はこの仕組みを、通常の指導体制にも組み込んでいきたいと思っています。4~6年生全員に学力診断テストを実施し、すべての担任がすべての児童のつまずきを把握したうえで指導にあたれるよう、校内の体制を整えていくつもりです。タブレット端末などのICT機器も導入し、効率化も図っていきたいですね。

 
個別指導塾の独自システムでつまずきを精査
 

このように、もともと子どもは大なり小なりやる気を持っているものですから、それを大きくするため、土台となる基礎学力を身につけさせることが重要です。

子どもたちのつまずきを把握して克服させるというのが、大切なポイントの一つとなるのです。

 
 
 
 

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この記事を編集した人

川崎 健輔

やる気ラボ研究員。1987年生まれ。横浜育ち。1児の父。教育系の業界新聞を書いていました。あっちに首をつっこんだりこっちに鼻をつっこんだりしています。差し入れされて嬉しいのはバームロールです。鳴きます。
(Twitter ▶ @kwskknsk

 
 
 

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